「小鳥遊の叔父の家はこの先だよな」
「うん。今はお婆ちゃんが一人で住んでるよ」
「そうか」
バス停をあとにしてしばらく歩くとまた会話が途切れまた無言の時間が続く、まあ小鳥遊のことを思えば当然と言えば当然だと思うが身内がこうなることの苦しさも痛さもなにもかも分かるとは言わないが多少はそういう苦しさは分かっているつもりだ。
しばらく歩いて田んぼが永遠と続くなかにぽつんと一軒の如何にも叔父や叔母の家という感じの家が見えてきた
「あれがおばあちゃんの家だよ」
そういうと今までの暗い顔が嘘のようにいつものハッピースマイルになって僕の手をとって走る
「ちょっとまて」
そういうと少し赤くなった顔を隠すかのように先に歩き出した
「あ、ごめん、おばあちゃんに会うの久しぶりだからテンション上がっちゃった」
「べつにいよ」
来た目的がとてもじゃないけど気落ちするいがいないことなのでいまの内にだけでもと思った。
「おばーちゃん来たよ」
そういい玄関のドアをあけて大声をだす
「はいはい」
そう重そうに腰を上げるのが想像できるようにこちらに向かってきた
「あら紗代ちゃんひさしぶり」