此処に来てから小鳥遊が持ってきたお菓子をボリボリと食べている犬。
「この犬何なの?」
「図々しい知り合い」
小鳥遊は単純に気になったので聞いてきたのだろうけど僕自身はなんともむかついたので殴ってやろうかと思いつつ
そう答えた。
「図々しいとはずいぶんな言い方だな太一」
「で、何しに来たんだ」
「何しに来たんだってお前が頼んできたんだろ、それと依頼しに来た」
「ああ、あの件かじゃあなにか分かったのか?」
「彼の事は有名だったんで意外と探しやすかったただ残念なことに良くないね、長くかかりそうかも」
「じゃあ先に来た依頼について教えて」
「んーそれなんだけど、、、」
険しい顔を作って少しの間を開けて口を開いた
「太一が頼んできた件の人が悪霊化して廃墟にとどまっていてそのせいでそこを住処にしていた幽霊は行き場をなくしていて困っているらしくてな、地元の幽霊の連中が太一になんとかしてくれと頼んできてくれないかと言ってきたんだ」
「そう、分かった近々行くって言っといて。」
「分かった、それじゃ、おい小娘菓子旨かったぞい」
「あ、うん」
犬はドアをすり抜けてどっかに消えていった、それを見た小鳥遊が
「ねえ、結局あの犬なんの?ドアすり抜けたから幽霊なんでしょうけどあんな動物の幽霊見たことないんだけど」
そう興奮気味に聞いてきた
「まあああ言う動物の幽霊は見える人間の前にも出てこないし基本的に人と違って悪さもしないしな」
「何で?」
「さあそこらへんえんは俺も分からん」
そう答え「ふ~ん」と答え今にも泣きそうな声でこんなことを聞いてきた
「ねえさっきの話の悪霊ってもしかしてさ私の叔父なの?」
「さっきからなんか暗いと思ったらそれを気にしてたのか」
「だって、タイミング的にそうかなって」
「そうか、まあ当たってるよ、お前の叔父は悪霊化してたみたいだな、一番懸念してたことだ」
そう言うとわかりやすく落ち込み出したのでどうしたもんかと思いつつまあ気持ちは分からんでもないと思いつつ、本気でどうすべきか考えていると。
部室のドアが開いたのでそこに目を向けると顧問の橋本先生が入ってきた
「もうそろそろ、下校時間だから帰りな」
そう笑顔で言ってきたので帰りの準備をして立ち上がったところで先生が
「来週から夏休みだけど部活の活動どうする」
そう聞いてきた、完全に夏休みの事を忘れていたがやることは前々から決まっていた。
「先輩の長期の休みを利用して調査に行こうとしていけなかったところに回ろうかと思います」
「わかった、先生もついて行った方が良いか?」
そう聞いて来たので来なくて大丈夫と答え学校を後にした。
帰り道に向かいながら小鳥遊が先生は同伴しなくて良いのかと聞いてきたので別に良いよ、
「どうせあの先生心霊系苦手だしそれに見える人間が二人いて先生だけ見えないのにもし幽霊と話してるとこ見られても困るし」
そう答えてやると納得してのと同時に
「なんで苦手なのに顧問やってるの」
「あの先生気が弱いから他の先生に顧問押しつけられて断れなかったんだろ、人も良さそうだし」
そう答えると今度はスッキリとした顔で私こっちだからと言ってその日は小鳥遊と別れた、
僕は家に着くなり先に家に居た犬に話を聞いてこの件は随分と小鳥遊には酷な事になるなと思いすべての顛末をどう話すか頭を悩ませていた。