そしてまた多分だが、先頭車と最後尾の九号車にはランプが灯っているんだろうな等と話していた。
「今回は休憩なしと見えるな、と二十二時を過ぎたので二交代制の休憩をするか」と『ゲルハート』がいったところであった。
不意に“ゾクリ”とした感覚が走り抜ける。
『セリア』も、同じ感覚を得たらしい。
私はそこまで、顔色は
だが『セリア』は、真っ青になっていた。
何だこの感覚はまるで悪魔にでも魅入られているような、心臓を
しかし、その感覚は途切れた。
門前町に、入ったからである。
門の前まで来たはいいけれども門が締まっているので、明日の早朝六時まで門が開かないのだ。
それで仕方なく、そこでキャンプを張って寝泊まりしている人々がかなりいるので門前町ができてしまうのである。
これはこの西方ヴェルゼニア王国では、珍しくない光景であった。
そしてその上客も居るので、その上客を探して商売することを目的にした建物も十数軒有るのであった。
「さっきの感覚は一体」と私が、口にする。
『セリア』がいう「まるで、心臓を鷲掴みされている様だった」と。
「何かあったのか?」と『ゲルハート』と『ウィーゼル』がこちらに振り向いた。
私と『セリア』は、思わず顔を見合わせた。
二人がさっきの感覚を感じられていないのは、魔導的感覚を持たないせいだと直感したのである。
すると、そこへ『キルヒャ』がやって来た。
「目一杯走ったのですが、門が締まる前には間に合いませんでした申し訳ない。今日はここ門前町で円陣を組みます、少し離れたところに円陣を組みますので、野営の準備をお願いします。
「私たちは荷物と一緒に、交代見張りをする事にしましょう」と『セリア』がいった。
馬車のほうが安全であるからではあったが、さっきの嫌な予感の事もあったのである。
人ならざる者に、見られてるような感覚。
アレは魔導的感覚を持たない人には、分からない感覚であるのだ。
よっぽど感覚が優れているか、そういう手合いと戦ったことがあるかによって異なるのだが……。
「何かよっぽど、お宝でも積んでいるのですかね?」と私は、いぶかしげにいった。
『セリア』も、いった。
「悪魔に魅入られるくらいの荷物ですか、ありそうですね。宝石類とか魔法の品とか、他にも聖遺物などですか。考えるだけで、キリがないくらい上がりますね」と。
「最もすべての計画をしたのが、中級クラスの悪魔でそれが
「何の?」と『ウィーゼル』が寝る、支度をはじめながら聞いた。
「荷物の中に魔物や悪魔に魅入られるような荷物でも、入ってるんじゃないかと言う話ですよ」と私がいった。
「この話は無事に、朝を迎えられてからしましょう」と『セリア』がいった。
「では先に、休憩に入りますね」と私がいった。
目標は、朝の六時三十分である。
そしてその感覚が、馬車の円陣の中央に降臨した。
さすがに嫌な気配全開で、目が覚める
「良く飛び起きれたわね」と『セリア』がいった。
「この嫌な感覚は、また円陣の中央ですか」と私がまたか的な意味合いでいう。
「昨日の朝もこうだったのよね、この感覚には慣れてしまったけど」と『セリア』がいった。
「また、飛ばされるんですかね? 異世界での戦闘は、物凄く疲れるのが早いので
『ゲルハート』がいった。
「どうする飛び込むか? 昨日は二人だけに、任せきりだったからな」今の時間を確認する。
朝の五時だった、『ウィーゼル』も起きて来た。
「何じゃ、このおびただしい
『セリア』に聞いた「今日は何だと思います?」というと返礼が返って来た。
「昨日は何だったの?」といわれたので、その問いに私が答えた。
「ヒトでない術者と、死霊騎士でしたが」と私は答えた。
「今日のは一段上がって、禍々しさが増してますから別物だと思います。もう外は、多分異界でしょう。エグジスタンス! イケナイ、今日は現世に顕現してるみたいです。早く行かないと、他のみんなが危ない!!」と私が叫んだ。
刀を抜きながらマジックソードエクストラクション!と魔導剣に変化させる。
「私と『ウィーゼル』で、
「よっしゃ任せとけ」と、『ウィーゼル』が答えた。
そういうと今日はおびただしい気配の中に、身を
ぱっと見て分かったことが四点あった。
小悪魔が無数にいること、
中央にいる何かを
中央の悪魔と思しき存在は未だ
その小悪魔の列の真上から私は技を繰り出したことであった。
いきなり上からソード・プレスが降って来たので回避のしようもなく、半径二メートル以内の小悪魔が消し飛んだ。
いきなり三分の一程度が、消し飛んだのである。
そのまま踊ってくる回って来る小悪魔の集団と視線を交え、次の技を繰り出した。プレッシャー! 小悪魔の隊列がビタット動きを止めた。
金縛りにあっているのである、瞬間で