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第13話:対魔法戦

◆ 視点は変わる『セリア』視点


「大丈夫、降ろしてくれてもいいわよ」と私はいった。


 『ゲルハート』が、私を下ろしてくれた。


 私はヒビが入っているが崩れても、大丈夫そうな斜面を選んで歩き魔導士を射界に捉えた。


「ちょっと待っててね、数増やして一気に打つから」と、私はいって詠唱に入る。


 射程も伸ばさないといけないので、苦しくはなるがこれが決まれば一撃で倒れるはずであった。


 そして、術は完成する。


「喰らえ! ロングマジックバレット、五連発!!」とコレでどうだ、とばかりに私がいった。


 同じ魔法であれば、自身の魔力限界である制御力以下までであれば、数は可能な限り増やせるのだ。


 さっき撃った時に、痛そうにしていたということは効くワケではあり後はどれだけ相手が耐えるかということだけなのだ。


 魔法戦とは、そういうモノであった。


 しかも相手はまだこちらを見つけてはいない、正に今がチャンスであったのである。




◇ 敵魔導士視点


 俺は焦っていた、召喚魔物は倒されているわけでは無い。


 生命力もまだ残っているハズなのだが、何かにつっかえたように動けないとしか反応が返らない。


 戦闘中に魔物を消耗するのは、仕方がない。


 だが、まだ生きている判定が掛かり、召喚数に制限がかかってしまっていた。


 これ以上、呼び出せないでいるのだ。




◇ 魔物視点


 崖の中にめり込んだということもあって、動けない。


 召喚主は、動け動けとしか変な指令しか出さないわ。


 呼び出されたれたはいいが、こちらでも動けないので困っていたのであった。




◇ 敵魔導士視点


 俺のほうからは、瞬間的に魔物が消えているので倒されたとしか思えなくて。


 あの女を高位のエクソシストか、何かだろうと思っていた。


 しかもこちらの居場所を突き止められている様な感覚さえあるのだ、焦るなという味方ももういない。


 そこにマジックバレットの強化版が、五連撃で突き刺さったのであるマジックバレットは魔法に依るためショックバレットの様に衝撃を伴うモノでは無い。


 どちらかといえば、貫通する攻撃に近いものがある。


 そんなのが強化版で、見えないところから五連発も来たのである。


 術者が見えて居れば抵抗のしようもあったかもしれないが、見えないところで尚且つ対象も不明という所であり抵抗のての字もできなくてその場に崩れ落ちたのである。




◆ 視点は戻る私こと『ウィオラ』視点


 そこに私の最後の魔法、チャージグラビティープラン!! 左と指定したので、私の前に固まっていた魔物すべてが崖にめり込み。


 崖の耐久値が、マイナスに行った。


 その直後、崖そのものが振動し


“ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゥ”

“ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ”

“ズッシャーーーーーーーッン”


という地響きと共に崖が崩れ始めたのであった。


 一旦崩落が始まると早いもので一気に崖は崩れ地形は変わったが、エネミー以外に味方には被害は無かった。


 それで分かったこともあった、崖の上に魔導士が倒れていたのである。



 ザイルを取り出すと適当な長さに切り、腕をしばり足を縛りくつわもはめ込んだのである。


 ある意味手成れていた、といっても過言では無かった。


 私が「どこかで、報奨金ほうしょうきんが出ているでしょう」といったのである。


 そして魔導士の指から、全てのリングを外すことも忘れなかった。


 そのリングを全て一旦ここに入れますねといって、お預かりする。


『ゲルハート』と『セリア』が追い付いて来た、赤いザイルであった為見やすかった様で「もうくくっちゃったのね」と『セリア』がいった。


「えぇまぁ、『セリア』さんですね、魔導士を倒したのは。ありがとうございました、これ以上は精神力に余裕が無かったので」と私がいう。


 端で「消しとくか」といって魔法陣を消し込む『ゲルハート』が居た、「でこいつがどこかの賞金首しょうきんくびかもってことか」という『ゲルハート』。


「ラームリッツァまで持っててもいいのですが、それだと我々の食い扶持ぶちを分ける必要がありますから、マルテラ辺りで換金してみましょう」と私がいった。


「それなら、食い扶持を分ける必要はありませんからね」と私が追加した。



「さて歩を進めるとしましょう、朝も食事の時間を回ってしまいましたし。それに皆さまも叩き起こさないと、出て来なかったところを見ると寝てるんじゃないんでしょうか?」と私がいうと。


「そっちは俺と『ゲルハート』で何とかしよう、消費の激しかった組は五号車で休んで居てくれ。勿論もちろん、飯を食ってからで構わない」と『ウィーゼル』がいってくれた。



「お言葉に甘えさせて、もらいますね」と私がいった。


「でわ私も、お言葉に甘えさせてもらうとして」と『セリア』もいった。



 ギルドの支店やギルド加盟店では結構多けっこうおおくだが、真空パックにする魔導機械まどうきかいを置いてあるところが有るのである。


 そこで保存食を、作成するのである。


 なので非常食の方とは違いがあり、非常食は我々の世界でいうところのカロリーメイトの様な乾パンのデカい奴である。


 普段は〇.一キログラム程度の重さしか無いが、保存容器に水を入れると体積と質量が増し食べやすくなる。とういうモノなのである。


 一キログラムまで、増加するので。


 食べ答えはあるのだが味が、残念仕様なのであった。


 保存食は三日分セットの、所謂いわゆる九食分しか持って無いという。

「途中町で休憩する際に、買えばいいのよ」と『セリア』さんがいったので、同じということであった。


 非常食は五日分、とのことである。


 なので、そこも同じであった。



「まぁ、食べて寝ますか」といってパンに肉と野菜を挟んだもの、と野菜の日干しふうの封を切って食べ出すのであった。


 保存食はお味は中々のもので各作かくつくり手が、創意工夫そういくふうらすモノでもあるのだ。


 そのため、美味おいしいものが多かった。


「疲れているときはなんでも、美味しいですね」というと『セリア』さんが答えた。


「保存食はどこも、力を入れてるからねー」とのことであった。


 確かに力の入り方が違うと思ったが、眠くもなって来ていたので。


「食べたら即、寝ますね」と宣言し、一気に食べて、寝に入ったのであった。


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