「後の回復に、残しておいてください。刀の方も自前で、何とかしますので。それと敵陣にあまり、食い込まないでください。一緒に、飛んでっちゃいますよ?」と私は、いった。
「後ろの集団を、崖にめり込ませます」と私がいう。
「その後はどうなるか、分かりませんが」と私が続ける。
「楽しみにしてるぜ」と『ウィーゼル』がいう、その直後術が完成する。
チャージグラビティープラン、前方と方向指定する。
この術の方向指定は自分から、見える方向でいいので楽なのであった。
直後九匹は居ようという魔物すべてが崖に
“バンバンバンババンッババババンッ!!!”
と崖に
九匹の魔物が最大十二メートルは、めり込んだのである。
大穴が、崖に開いたのであった。
しかも一列になって綺麗に飛んでいったため、九個も大穴が
その
そのくらいの、大技であった。
「早くいこう、二人に何かあったのかもしれん」と『ゲルハート』は『セリア』を、抱きかかえた。
そちらのほうが、確かに速かった。
「また溜ってきましたね」と背中合わせの二人の内、私がいった。
「精神力はまだ持つのか?」と心配そうな『ウィーゼル』がいた。
「まだもう少しは、持ちますが。この数ではもう一度塊を飛ばした方が、よさそうですね。
崖の上に何かがある様だった、なにかは知らないがそれを
それにヒトなら受け身はほとんど取れないで落ちて来るが、魔物は着地がうまかったのである。
「よし、五匹巻き込めそうなので行きます」と私がいった。
構文が簡単なうえに、早く唱えられる。
なんで、みんなが使わないのか? 不思議なくらいであった。
実際は場所と状況が、
チャージグラビティープラン!! 前方と、今度もうまく六匹が巻き込まれてくれた。
崖に、さらに着弾する。
“バンバンバンバババンッ!!!”
崖の根元は、大変なことになっていた。
『セリア』と『ゲルハート』は、崖の根元までは到達していたのだ。
◆ 視点は切り替わる『ゲルハート』視点
「これ以上は登れん。この崖崩れるぞ」とヒビが沢山そこいら中に入っていることを俺は、『セリア』に伝えたのである。
「そのまま抱えていて、梟に目を移すわ」と『セリア』がいった。
梟が再度飛び上がる、上空に上がるその頃には「下の魔物が減ってる。何で?」と、『セリア』の口から言葉が漏れる。
そしてセリアはその光景を見るのである、魔物が減るという意味を。
◆ 視点は戻る私こと『ウィオラ』視点
『ウィーゼル』がいった「俺の前の四匹くらいを飛ばせないか?」と。
別に視界に、捕えないといけないわけでは無い。
レイダーを再展開する、「五匹
そしてレイダーで捉えた対象に、強化版をぶっ放す。
チャージグラビティープラン!!! 左斜め前! その瞬間、その五匹だか六匹は又もや崖にかなりの超速度で突っ込み、崖をさらに深く
その一撃が崖の耐久度をゼロにした、といっても良かった。
『ウィーゼル』がいう「お見事」と、残った魔物は私の前に居る二匹だけになった。
◆ 視点は切り替わる『ゲルハート』視点
「何て子、センスの塊ね」『セリア』が感心したと、いう呟きを漏らす。
俺はいった「俺にも分かるように、説明してくれ」と。
「『ウィオラ』ちゃんの魔法の使い方に、天才的なセンスが有るのよ。しかも、アレは異界魔法ね。詳しいところは、私も知らないのだけれど。異界の力を操り力を自在に引き出す、魔法の一種よ。それであんなに、敵の数が減ってたのね。崖の上は見えないけれど、崖の上に何かがあるのは分ったみたいね。私たちも、ぐずぐずしてられないわ。崖の上にはいかなくてもいいから、せめて魔導士が見えるところに行かないと。『ウィオラ』ちゃん、かなり消耗が激しいはずよ」というと『セリア』が目を開けた。