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第10話:オトリ

「他の人数は? 叫ぶと死ぬぜ、いわなくても死ぬがな」と『ゲルハート』が静かだが、ドスを効かせた声でいった。


「ボスは最高の魔導士まどうしだ、お前らなんかに負けるかよ」といったため、そいつは死ぬことになった。



 『ウィーゼル』が拳を合わせながらいった。


「俺と『ウィオラ』で、オトリをつくる。その間に二人は首領しゅりょうを探し出し、叩き潰たたきつぶしてくれ。遠くには、行っていないはずだ。もの見だけ、の動物だけ置いている? とも考えにくい。まんな、『ウィオラ』付き合ってくれ」というので、「お二方に、首領のほうは任せました。少々しょうしょうあばれてきます」と私はいった。


 そして「左手から、四人来ています」と『ウィーゼル』に、静かにいうと自己術式のハヤテをかけた。


 そして垂幕から外に飛び出しサーコートをひるがえし、空中から先頭の一人目に向かってストライクラッシュをり出した。


 ぞくにいう、命中率上昇と連撃である。



 『ウィーゼル』はその死亡した男をつかむと、上がって来ようとしてた野盗二人に向かって死体を叩きつけた。



 そのまま


“バンッ”


と跳躍し、私の背後に降り立った。


 私は一人目は、すでに斬り倒していた。


 先ほどのストライクラッシュが、全段命中したのであった。


 もう一人はロングソードを構えていたが、戦士ではなかったため正眼せいがんの構えではなく横構よこがまえになっていた。


 片手で使うのには、威力が軽いのが欠点の武器で。


 つまりは、素人に毛が生えただけかと思った訳だ。

「それにしても、教育がなってないな」と普通の音量で、低めの声を出しながらいった。



 そいつらは、みな軽装であった。


 さすが野盗、装備が整って無いなと思いながら。


 横構のヤツと、さらに加勢かせいで来た二人をやる準備をする。


 チャージグラビティープラン真上と、術を解き放った。


 さらに二人が横構のヤツに加勢しようと、並んで突撃して来たところへ、この術がかかったのである。


 しかも、真上と指定した上でだった。


 横構のヤツは、何が起こったのかわからないらしかった。


 まさか、術の範囲に入ってないとでも思ったのだろうか? 甘いヤツめと私は思った。


 その三人は空中に向かって三Gの加速度で落ちていき高度十メートルで術から解放されたが、自身の重量と加速度のせいでさらに五メートル以上飛びそこから地上に向かって落ちた。


 受け身を、取れる高度ではない。


 最低でもどこかの骨を折り、重傷になるはずである。


 叫びはしなかったものの三人が落ちて来るまで飛び道具の類が、飛んで来ないか気配察知けはいさっち殺気感知さっきかんちはおこたっていないが、そこまですごい武器とかは持って無いようであった。


 クォーレル弩の矢が飛んでくることくらい、は覚悟していたのだが。


 そして、野盗三人が落ちてきた。


 当然、受け身など取れるはずもない。


 人体を損壊するような、とてもひどい音がした。



“グシャッ!”、“バキバキッ!”、“ボリッ!!”



 一人が頭から地面に突き刺さり、頭と首の骨を折って絶命ぜつめい


 もう一人は頭からは落ちなかったものの、真横から落ちたらしくロングソードが体にもろに刺さって絶命。


 横構のヤツはロングソードを横構えにしていたこともあって、バランスが悪く背中から落ち脊髄せきずいと後頭部を完全骨折して絶命していた。


 その間にパワーヒット二発づつを、野盗の顔面に見舞い顔面を陥没させた上で「こっちも終わったぞ」と振り向いて、唖然あぜんとする『ウィーゼル』が居た。



「残り四人です」と私がいって前方の先頭車方向に向かって、かなりの速度で走る。


 ハヤテの継続時間、であるからだ。


 すると幌馬車の陰から一人「もらった!」といって飛び出してきたが、跳躍しソイツの顔面をみ台にしてさらに跳躍ちょうやくした。


 そして幌馬車の中を攻撃しようといた野盗に、ソイツにとって左側面から攻撃を仕掛けた。


 戦士なら盾を持っているはずなので、本来は攻撃しないラインではある。


 だが野盗に盾持ちは居なかったので、このラインが取れたのである。


 ストライクスラッシュを繰り出し三連撃を見舞う、まさか届くとは思って居なかったのだろうこちらを見て無かったためモロぐらいしていた。


 当然とうぜんねらったのは首である。


 頭が綺麗きれいに飛び、転がって地面に落ちた。


 体も、御者台から蹴り落とした。


 そのまま、先頭車両の中を確認する。


 『キルヒャ』は怪我をしているらしかった、御者には怪我は無いようであった。


 中に「もう少し待っていろ」とだけ私が声をかける。


 足元に一人登ってっ来ようとしているヤツがいた、さっきんずけたヤツだった。


 プレスと私が唱え胴体にかけたため、瞬間的しゅんかんてき肋骨ろっこつ胸骨等きょうこつなどが折れる音がし内蔵に刺さった様だった。



“グシャッ”



 そいつが、後ろに倒れていって動かなくなる。


 じわっと赤いしみが、土の上に広がった。




◆ 視点は切り替わる『ウィーゼル』視点


 その頃俺は最後尾車両の側、九号車の方に向かって行っていた。


 こちらでも「もらったー!」といって飛び出してきた奴にパワーヒットといいながらクロスカウンターで顔面にグーパンを直撃させる、一撃で顔面が凹みソイツは沈んだ。


 どうやったのかは知らないが、『ウィオラ』なら大丈夫だアイツはかなりの手練てだれの様だとおもった。


 御者台に乗っている奴を引きずり落とし、馬乗りでラッシュで全てにパワーヒットを乗せ顔面に見舞みまう。


 直撃があった様でそいつは、首の骨を折り絶命した。



 九号車の後ろに回り殺気が有るか確認する、殺気は無かったが強力な呪文で眠らされている様だった。


 幌馬車の中身から、ランプの明かりが漏れていた。


 マダマダ素人だなと思いとりあえず起こすことにしたが起きなかったので、魔法を唱えたヤツに解呪かいじゅさせるかぶち殺すかしなければいけないようであった。

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