私はまだ修行中の身だったのだが、修行の最中に師匠がどこかへ転移してしまったのでその時の書置きを持って現在師匠を探して旅をする予定である。
師匠の書置きでは「わしゃ南に行く。来たければフレイニアまで来るがよい」という書置きだったので師匠を追って南下して師匠に会えるまでのことを旅日記として書いて行こうと思っている。
私の生まれたヴェルゼニア王国はとても広い国で私の住むエフェメリスという街はヴェルゼニア中央部に属する大都市で過ごしやすい気候が多く、中央部としては若干北緯寄りになる地域らしい。
レスウィスティーナの創りしこの世界では比較的多いタイプらしく、夏季と冬季に分かれており雨季と乾季が交互に来るような少し温暖な気候風土の国である。
通年を通して三十度程度の温度が標準ではあるが、湿度が低め大体四十から三十パーセント以下のためとても過ごしやすい国なのである。
冬場の寒気でも二十七度程度を標準気温に
師匠はその容姿にかなり特徴があるため、探すのは楽なはずであるのだ。
地道な聞込みと、冒険者ギルド
そうそうコレを書くのを忘れていた、冒険者はギルド加盟店では旅銭の出費が抑えられるように宿代が安くなっているのだ。
素泊まりまで落とすと何と五十ブロス(青銅貨:B)まで落ちるのだ、二食付けると一シルズ(銀貨:S)まで上るが、普通の宿の半額以下で二食付くのである。
旅をするもの、特に冒険者はもの凄く優遇されているのである。
それもその
冒険に行くものが大体五十から六十パーセントといわれるほど、冒険に出かける者が多いのである。
エフェメリスという名の大都市の高位の貴族出身である私には最初剣を習うという目標と古代魔法を習うという目標があったが、その両方をミックスして魔法剣士になるという選択肢は無かったのである。
偶々庭で練習していた私を見ていた師匠が技を教えようという気になったらしく、ウチに入り込んできたのだ、ギルドの
ギルドの方から声をかけるというのは
修行を開始してから三年ほどたったある日、一緒に郊外のイスという村まで遠出の修業に行った帰りに森で休んでいるところに、ギルドからの使者が転移してきて面倒を見て欲しい者が出た叩けば伸びるという言葉に
師匠の技が
イスから戻った私は、家族に書置きを見せこのようにいったのである。
「師匠を追ってとりあえず、フレイニアまで南下する。未だ教わってないことが多くあるので」と一大決心でもあったのだが母からは「もうウィオラも十五歳になります成人の儀式が行えます」といわれ、父からは「我が娘ウィオラよ決して
それ以前には師匠に技を教わるということで十二歳からギルドにはもう入っていたので、ギルド証はもう持っていたしギルドに行って何かするというのは
私の生まれた家テッラエ家というのは由緒正しき高位の貴族にして上級
長女であれば、出て来れないところであった。
妹も居たから、最悪は出て来れないなんてことは無かったわけではあるが。
八人家族で家令が一人、執事一人、家に使える従者は総勢二十五名近くに上っていたし、騎士である兄の従者が三人と姉には婚約者一人がいたから出て来れたわけではあるのだが。
なので私は冒険に出る、『立派になるまでは家に戻らない』という
誓いはこの日記に書いただけでありどこかで
でも心得の一つには違いない、師匠から更なる技を教えてもらいより完璧になってこの世界を歩き
今、まだ仲間はいないが、その内旅の仲間もできるだろう。
フレイニアに居る、師匠に合うまでの道のりは長いのである。