私は電車に乗り集合場所である、門の前で学年の面子がぞろぞろと集まっていた。
「さくら、遅いよ」
「ごめん舞」
「さくらはいつも遅れるよね」
「だから、ごめんって」
「じゃあジュース奢りね」
「高校生だなー、もう」
思わず笑ってしまった。
そんな中時刻が迫っている時に大声で日向君が叫んでいた。
「皆、河上君しらない?連絡取れないんだけど」
それを聞いて皆河上君について話をしていたが、誰も河上君と連絡を取っている人はいない様子だった。
「さくら、いつも一緒に登校していたんだから知っているんじゃない?」
「まあ、知っているけど」
「じゃあ連絡してあげなよ」
「分かった」
『河上君今どこ?』
『門の前にはいるんだが皆がいない』
『多分、反対側の門にいるんだよ』
『なるほど、了解』
「日向君、河上君反対側に行ったんだって」
「そうなんだ!!」
何故か日向君が少し怖い顔をしているように見えたが気のせいだと思った。
だって日向君が河上君にどんな印象を抱いているかなんて知らないし、
でもこの時の異変に気づいていたらあんな悲しい事は起きなかったはずだと思いたい。
「じゃあ行こうか」
「うん」
私たちは私と舞と美香と遥、沙羅と一緒に行動する事になった。
「とりあえずマウンテンは制覇したいよね」
「そうだね」
少し歩けば人だかりが多くて、乗り物にはとても人が並んでいた
「そう言えば今日時間終わったら、私は颯太と会うけど皆は?」
「私はクラスの皆で集まるかな」
「沙羅も?」
「うん」
「さくらは?」
「私は人と会う約束があって」
「へー」
なんか三人が揃ってにやけるから恥ずかしくなってしまった。
「茶化さないでよ」
「いいじゃん、羨ましいわー」
本当に恥ずかしくけど本心は楽しみとそんな感じだった。
一方、河上は一人で行動していた。
周りはカップルや人だかりで見渡す限り、乗り物に並んだり、食べ物などでそれぞれの楽しみかたで笑顔が絶えない様子だった。
そんな中不穏な気配がしてならない、そんな感覚を持ちながらとある人間の背景を見て近づく。
「ちょっと何やっているんですか?」
「え?!!」
「警察官が尾行されてどうするんですか」
不穏な笑みとは裏腹に驚きを隠せない様子で僕を見るのは、京野さんの部下である佐々木さんだ。
「なんで分かったの?」
「そりゃこんだけ私服警官があちこちにいれば誰でも気づきますよ」
「誰にも気づかれてないし」
「僕に気づかれた時点でアウトです」
「それは君がおかしいのよ」
「そうですかね」
僕は目を使ってはいないので、ごまかせなかったそっちが悪いと思った。
「君さ今、失礼な事考えてない?」
「考えてないですよ、ただ隠れて警備をするならもう少ししっかりやってほしいってだけです」
「それはそれで失礼ね」
「それで?なんでこんなに警官が?」
「なんでそれを君に話さないといかないの?」
「話さないならそれでいいけど、後で僕にお鉢が回っても助けませんよ」
そう言うと佐々木さんは、困った顔でうんともすんとも言わなくなってしまった。
「あのさ、こういう時に直ぐに決断できないのって警官としてどうなの?」
「分かったわよ」
そう言うと素直に現状を話し始めたが、小声で後で私が怒られるって嘆いていたけどそれは聞かなかったことにした。
「簡単に言うと、此処に爆弾仕掛けたって犯行声明があったの」
「爆弾は?」
「まだ見つかってない、それに何個仕掛けられたかも分かってない」
「手伝おうか?」
「いや、いいよ。素人高校生は楽しくディズニー楽しんで」
そう言うと、ささっとどこかへと行ってしまった。
どうやらまた面倒ごとに巻き込まれたようだ。
佐々木さんと話すために日向達と離れたが、爆弾ともなると話は別だ。
そうなると俺も楽しむなんて事はできない、でも勝手に動くと後で怒られるしどうしようかと考え込んで椅子に座ってジュースを飲んでいると、目の前にある噴水のど真ん中が激しい爆発音と共に水は飛び散り、それに驚いた周囲の人間の悲鳴で周りはパニックになった。