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第14話蒼眼

「インターポール?」

「まあ、簡単に言えば世界で起きたテロなど解決するのに、難しい事件だったりを各国に回って捜査強力する組織だ」

「それって例えば一国の警察機関が捜査困難ってなると派遣されるってこと?」

「まあ、そうだな。」

「じゃあ凄いじゃん!!」

「心太様は、各国の捜査機関のトップのインターポールであるでも異色の経歴をお持ちなんですよ」

「まあ、この歳でそんな組織にいるからそうか」

「はい」

河上君は私が知らないだけでとても凄い人間だったと知った。

「それで海外に留学したの?」

「ああ」

「詳しく聞いてもいい?」

「長くなるからとりあえず風呂入ってこい」

「分かった」

「お風呂湧いているのでお入りになってください」

「ありがとうございます」


とりあえず色んな話を聞き驚きながら河上君について、何をしていたのか聞けるわくわくで心臓の鼓動が早くなっているのが分かった。

お風呂に入るとやはりこの家はマンションにしては規模がでかいと感じる。

まず、シャワーを浴びるのに三ヶ所あるし、湯船が凄くでかい上に露天風呂まである。

私は毎日露天風呂に入るので実家に戻ると違和感を感じてしまうと思えてしまう。

シャワーを浴びて露天風呂に入る。

景色がとても綺麗だ、この家の全部を掃除するだけでも二、三時間はかかってしまうんじゃないかと思うしそれを高坂さんが全部していたと考えるとありがたいと思う。

私もお皿洗いなどちょくちょく手伝ってはいるがそんなもの些細な事だと改めて思う。


露天風呂に三十分くらい入り、リビングに戻る。

「お先に上がりました」

「長い」

「いつもの事でしょう」

「じゃあ俺も入ってくるわ」

「ごゆっくり」

河上君が入る間に気になったことを聞いてみることにした。

「霞さん」

「はい?」

「霞さんっておいくつなんですか?」

「十八にいなります」

「じゃあ高校生?」

「そうですね、年齢で言うと高校三年生の第になります」

「どこの高校に行っているんですか?」

「私は高校に行っていません」

「え?」

「私は心太様に救われたのと同時に自分が生きている理由を探す為に心太様に仕えておりますので、それ以外の事は致しません」

「生きている理由?」

「私は過去戦争孤児で紛争などで兵器として過ごしておりました。でもある事情があり今は兵器としてではなく、自分が何故生き残りそしてどの様にこの先を生きればいいのかを探すことに尽力しそのついでに心太様に仕える事にしたのです」

なんだか自分が思っている以上に深刻な事情を抱えていて、でもその全てを知るにはまだ時間がかかると理解した。

「なんだか大変だったんですね」

「そうですね」

「私の知らない世界って感じです」

「さくら様々には知らない世界でいいのです」

私の知らない世界では同い年で銃を持ち戦いそして、それよりも小さい歳でもペンやノートを持つことができない子供がいると言う現実をしり、改めて自分は恵まれていると感じた。


「ココア、どうぞ」

「ありがとうございます」

高坂さんが気を利かせて飲み物を持って来てくれた。

「もしかして高坂さんの過去もそう言うものですか?」

「そうですね、でも私は普通の執事として心太様に拾われたので返せない程の恩があるんです」

やはり、高坂さんも何かしらの事情を抱えていると思ったしそれを聞くのは少しだけ軽率だったとも思った。


「高坂、俺にもココアくれ」

河上君がお風呂から出てきて飲み物を頼んだ

「かしこまりました」

「それじゃあくつろいでいる所悪いけどさっきの話の続き聞かせて」

「長くなるぞ」

「いいよ、明日休みだし」

「何処から話すか」

神妙な面持ちで語りだした。

「この歳でインターポールに入るのは普通のじゃないな」

それくらいは私も分かった。

「最初は俺の家族が殺されたことがきっかけだった」

「え?」

家族の話なんて聞かなかったから、驚きが凄かった

「俺が学校に行っている間に親と姉、弟が家にいる時に不法侵入をしてナイフで何か所も刺され出血多量で亡くなった」

「犯人は捕まったの?」

「いいや、遺体には天使のシールが貼られていたことで、サマエルかマラクの犯行だと判断された。そして俺はその現場を見て暫くした時に誘拐された」

「誘拐?」

「マンションの一室に監禁されて一週間薬物かなにかの薬が充満した部屋で一週間後に突然警察に通報が入り保護されたんだ」

「薬?」

「ああ、その薬か薬物のせいで俺は普通では見えないものが見える」

「どういう事?」

「それは見れば早いな、俺の目を見ていろ」

そう言われて、河上君は眼鏡を外して私をじっと見た。

そして河上君の目黒色から綺麗な青色に変換した。


「何これ?」

「これは蒼眼と呼ばれている」

「蒼眼?」

「これは人の感情や物を感情を見抜く事ができる」

「じゃあその蒼眼を使えば人が何考えているとかどんな感情なのか分かるってこと?」

「ああ、ただ考えることは分からないが」

「そうなんだ、物の感情って言うのは?」

「まあ、捜査で言うと凶器が分かったりするな」

「そんなの最強じゃん」

「でも、デメリットもある。これをずっと使うと脳が耐え切れずにぶっ倒れる」

「じゃあいつもどうしているの?」

「この眼鏡をかけているときは視界が殆どモノクロなんだ」

眼鏡を借りて、かけてみると本当にモノクロで色が映らなかった。

「普段こんなものかけているんだ」

「今はコントロールできているけど蒼眼がで始めた時は、この眼鏡がないと生活できなかったんだ」

「そうなんだ」

「そんな人がいるなんて知らなかったよ」

「過去にも蒼眼を持った人間はいたぞ」

「そうなの?」

「ああ、蒼眼は歴史が古く、書物に記録されていたのは明治時代に遡る。

百五十四年前今の警察機関が出来る時代に蒼眼を持った人間がいた。そして蒼眼を持った人間は同じ時代に蒼眼は二人いたと記載された記録はない、蒼眼を受け継いだ人間が死ぬか、蒼眼の輝きを失った場合のみ蒼眼を受け継ぐ人間がでる。」

「輝きが消える?」

「目を使い続ければ聴覚、嗅覚、味覚、触覚の四覚が段々と失われていく。さらに視覚すらも失い。それを使い続けると聴覚、嗅覚、味覚、触覚の四覚が段々と失われていくさらに視覚すらも失う。それが輝きが消えると言う事だ。」

「その目を使って捜査していたの?」

「ああ、この目を持つ人間は警察機関からは逃れられないからな」

「そう言う事?」

「蒼眼を持つ人間はその時代の時の権力者や日本政府、警察、公安などに所属する事が決められているんだ。逃れようとしても、時の権力者によって動かされた世界中の監視システムによって逃れる事は出来ない。」

「そんなの理不尽じゃない」

「でも定められたことだ」

衝撃と河上君が背負っている運命が悲しすぎて言葉が出なかった。でも河上君は話を続ける。

でも、私はとある疑問に辿り着いた

「でも河上君って後天的なものだよね?」

「そうだな」

「どういうことなの?」

「この時代に蒼眼を持った人間はいなかったんだ、でもサマエルはそれに興味を持ったのか、多分実験をしたんだろう」

「実験ってなんで河上君が」

「分からん、誰が俺の家族を殺したのかそして何故俺がその被験体に選ばれたのか分からないんだ」

「殺したのはサマエルじゃないの?」

「天使のマークなんていくらでも作れるよ」

「じゃあサマエルかマラクかも分からないんだ」

「そうなるな」

「でも、その目を使って犯人を見つけられないの?」

「何故か家族の遺体を見ても凶器を見ても感情は見えなかったし、そもそも当時の記憶がないから思い出せない」

「思い出すのも辛いよね」

「まあ、それだけじゃないし監禁された以降の記憶がないからもう何も思い出せないし、サマエルの幹部が起こす事件は感情が見えないんだ」

「そうなの?」

「神鹿狼奈が考え実行したものは何故だか見えないんだ」

「神鹿狼奈ってサマエルのトップだよね」

「ああ、サマエルの幹部が起こす事件は殆どが神鹿狼奈が考えたものだからな」

「じゃあ神鹿狼奈が考えた事件は考えてやらないといけないんだ」

「まあそう言う事になるな」

「なんだか大変だね」

「まだ話し続くぞ」

この話しだけでも一時間は経っていた

「誰が俺を監禁してどんな薬を使って、この目を宿したのか分からないし今はそれよりもサマエルやマラクを抑えないといけないからな」

「そうだね」

「監禁されてこの目を持って警察に入る事になるときに、この眼鏡を特注で作ってもらって未解決専門の班に配属されたのが高校生に入った時で半年間で幾度の事件を担当してインターポールに声がかかったんだ」

「じゃあ功績が認められてインターポールに入れたんだ」

「そうなるな、でも入ったら入ったら入ったで大変だったけどな」

「そうなの?」

「国が崩壊しかけたり国のお偉いさんの警護だったりな」

「お偉いさんってどんな人?」

「大統領とかかな」

「河上君が敬語で話しているのとか想像できないけどね」

「敬語使ってないですけどね」

高坂さんが会話に入ったきた。

「そうか?」

「敬語なんて知らないですからこの人」

「それは言い過ぎだろ」

「そうでもないですよ」

「フランスの要人を殴りつけた時は焦りましたよ」

「そうなの?」

「あれは言う事聞かないかったから」

「だとしても殴るのはやばいね」

「そうでしょ」

「そんなんで仕事できていたの?」

「まあ、今生きているから意外といけるぞ」

「そう言う事じゃないですけど」

「仲良くなったりする事はなかったの?」

「ブルガリアの大統領の家族にはよくしてもらえましたよね」

「あれはもう敬語というより子守だろ」

「子守?」

「大統領の子守をしていたんだよ」

「なんか予想できないんだけど」

「案外心太様は、子供に優しいんですよ」

「そうなんですか?」

「ええ、大統領の子供には日本語教えたり、遊んだりもう帰らないでとか言われていましたね」

「恥ずかしいからもうやめろ」

「はい」

「まあ俺の過去はこんな感じだ」

「長かったね」

「言ったろ長いって」

もう時間は夜の九十時になっていた、話し始めたのが七時だったので二時間は話続けていたことになる。

「では、遅い時間ですが夕食にしましょう」


夕食は軽いものだったがいつもと少しだけ違う感じがした

「やっぱり霞が作ると雰囲気が違うな」

「これ霞さんが作ったんだ」

「はい、私の故郷の料理です」

「私では不満ですか?」

高坂さんが少し怒っていた。

「いや、軽い食事ならいいってことだ」

「お豆が多いのは霞さんが育った環境が影響しているんですか?」

「はい、私の故郷は豆や野菜などがメインでしたので。お口に合いましたでしょうか?」

「はい、美味しいです」

ご飯を食べてソファーでゆっくりしていた。

「ところで霞さんは海外でどんな任務をしていたんですか?」

「最近、日本にサマエルやマラクが入国しているとは言え海外の方がマラクの犯罪は多いのでその調査に」

「それって河上君の代わりでって事?」

「はい」

「自分の仕事押し付けたの?」

河上君は心外だといい、あくまでも自分は事故捜査だと言い切った。

「じゃあ私は眠いからもう寝るね」

「おう、おやすみ」

「おやすみなさいませ」

「おやすみ」

私は自分の部屋へと行き直ぐにベットに倒れ込んだ。

「なんだか今回も私の知らない所で色んな事が起きているんだな」

自分が知らないだけで、世界では様々な事情を持っている人がいて、それなのに私は家族の関係性で悩んでいるなんてちっぽけだと思う、でもそれでも私は私の問題を解決しないといけない。


「で、どうだった?」

リビングでは私がいない所で話が進んでいた。

「やはり神鹿狼奈の影響は絶大です」

「そうか」

「では、現在では日本より海外の方が事件が起きていると?」

「そうですね、マラクが拡大しています」

「年代はどうだった?」

「殆どが十代や二十代でした」

「まあ神鹿狼奈は若者を中心に支持されているからな」

「でも、神鹿狼奈が存在を消しているのにどうしてそこまで影響が出ているのでしょうか?」

「それが問題なのかもな」

「え?」

「自分が心酔している存在が一切気配がなくなると、自分が次の神鹿狼奈になろうとするってケースがあるからな」

「そんなことが」

「でも、だとしても、そんな事が起きたら今頃事件が絶えないのでは?」


【神鹿狼奈はどこにでも居る】

「え?」

「最後に神鹿狼奈が言ってたことだ」

「どう言う意味でしょうか?」

「多分、自分がいなくても世界中に自分の意思を持つ輩はどこにでもいると言う事だろう」

「では、神鹿狼奈の狙いは世界中のマラクを使い何かしらを起こそうとしているのでしょうか?」

「それも違うな」

「どうしてでしょうか?」

「それが狙いならもう世界中で事件が起こされている。それにそんな事が起きればもう世界中が混乱になっている」

「確かにそうですね」

「恐らくサマエルの狙いは日本だ」

「え?」

「最近日本にサマエルの幹部や優秀なマラクが日本に流れている。それに最近起きた議員の事件もマラクが絡んでいたし」

「確かにそれにしても、警察を欺く程のマラクの人間が消されたのはなんででしょう?」

「まあ、俺が解決したからそれで使えないって消されたんだろう」

「やはり、残虐な組織ですね」

「まあでも海外で起きた事は日本で遅れてやって来るからな。それに今は安藤を守る事が最優先だ」


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