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第六話 ゴブリン討伐



と言って2人は地図を手にギルドに向かった。


「いやー、凄いね異世界は!」


「そうだね」


「なんでそんなにテンション低いの?」


「え? いつも通りだと思うけど.......」


「ふーん」


(あぶない。そんな表情に出るのか、どうしよう?)


 影兎は基本人見知りなので、自分から話すことはない。でも咲夜とは小学校からの幼馴染みで、これでもだいぶ話せるようになった。でも.......周りにこれだけ知らない人が居ると.......


 普段学校の行き帰りは、なるべく人と会わない裏道を通っているから、こんな堂々と道の真ん中を歩くことはない。


「これからギルドに行くけど行きたい所ってある?」


「いや、初めて来たから何があるか知らないんだけど.......」


「あー、そうだねじゃあ探索から初めようか」


「うん。そうだね」


         ◆ ◆ ◆


 そのころ神殿では


「はぁー、どうして2回も失敗をしてしまうのです。はぁー」


神官は勇者召喚を2度も失敗した自分を責めている。


「あと召喚できる回数は、.......3回、そんなぁー」


もうあとがない、いつになったら1人だけ!来てくれるのか.......



『(いやー神官も大変だねー)』


(そうしたのは君でしょ……)


『(あれ居たのー?)』


(居るけど、というかなんで召喚五回もできるの?)


『(一回だけっていうのもつまらないだろうに? 五回もあるほうが楽しいじゃん?)』


(えぇ.......それで、いつになったら僕らの方に戻るの?)


『(あ~.......)』


(忘れてた?)


『(あははは、そろそろ戻るから心配するな笑)』』



と、言うことで仕佐達の話に戻る。そして川に着いた。


「うわー、あからさまに出そう」


「おー! 雰囲気出てるー!」


 仕佐は少し怖がって、条夜は楽しそうにしている。


「いや、なんで楽しそうなのさ?」


「そりゃあね。やっとゴブリンだよ!」


「あーまあ確かに」


 まだボアーウルフとしか戦っていない。というかあれは戦ったという判定に入れてもいいか怪しいが。


「で、どうやって見つける?」


「え? 考えてなかったの?」


「そりゃもちろん!」


 と、条夜は満面の笑みで答えた。


(えー、作戦あるからこれゴブリン討伐にしたんじゃないの.......)


「はぁー、仕方ない。僕が影移動ってスキルで捜してくるから」


「りょーかい隠密で隠れておくわ」


「よし、行ってくる!」


 と、言って仕佐は影移動でゴブリンを探しに、条夜は隠密で隠れた。本当は別々で行動するのは危ない気がするが.......まあ、大丈夫だろうという謎の自信の元各々行動する。

 仕佐は木陰を移動してゴブリンを捜す。条夜は木の上に登って隠れている。


 条夜が登り切った直後に遠くから人らしき声が聞こえた。腰にはナイフくらいの刃物を、明らかに普通ではない格好をしている人が2人、こちらに向かって歩いてくる。


(あ、俺らの常識だから、刃物は護身用かもしれないな)


「ねーねー、さっさと殺そうよー」


「お前はそんなに殺すのが好きなのかよ」


「うん、あの斬るときの快感がたまんないんだよねー、特に柔らかい人族は」


「ふふっ、まぁ俺ら盗賊にとっちゃぁ殺しは最高だからな!」


(おおっとこれは王道展開か? 分からんけど盗賊きたー! でも1対2か)


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