と言って2人は地図を手にギルドに向かった。
「いやー、凄いね異世界は!」
「そうだね」
「なんでそんなにテンション低いの?」
「え? いつも通りだと思うけど.......」
「ふーん」
(あぶない。そんな表情に出るのか、どうしよう?)
影兎は基本人見知りなので、自分から話すことはない。でも咲夜とは小学校からの幼馴染みで、これでもだいぶ話せるようになった。でも.......周りにこれだけ知らない人が居ると.......
普段学校の行き帰りは、なるべく人と会わない裏道を通っているから、こんな堂々と道の真ん中を歩くことはない。
「これからギルドに行くけど行きたい所ってある?」
「いや、初めて来たから何があるか知らないんだけど.......」
「あー、そうだねじゃあ探索から初めようか」
「うん。そうだね」
◆ ◆ ◆
そのころ神殿では
「はぁー、どうして2回も失敗をしてしまうのです。はぁー」
神官は勇者召喚を2度も失敗した自分を責めている。
「あと召喚できる回数は、.......3回、そんなぁー」
もうあとがない、いつになったら1人だけ!来てくれるのか.......
『(いやー神官も大変だねー)』
(そうしたのは君でしょ……)
『(あれ居たのー?)』
(居るけど、というかなんで召喚五回もできるの?)
『(一回だけっていうのもつまらないだろうに? 五回もあるほうが楽しいじゃん?)』
(えぇ.......それで、いつになったら僕らの方に戻るの?)
『(あ~.......)』
(忘れてた?)
『(あははは、そろそろ戻るから心配するな笑)』』
と、言うことで仕佐達の話に戻る。そして川に着いた。
「うわー、あからさまに出そう」
「おー! 雰囲気出てるー!」
仕佐は少し怖がって、条夜は楽しそうにしている。
「いや、なんで楽しそうなのさ?」
「そりゃあね。やっとゴブリンだよ!」
「あーまあ確かに」
まだボアーウルフとしか戦っていない。というかあれは戦ったという判定に入れてもいいか怪しいが。
「で、どうやって見つける?」
「え? 考えてなかったの?」
「そりゃもちろん!」
と、条夜は満面の笑みで答えた。
(えー、作戦あるから
「はぁー、仕方ない。僕が影移動ってスキルで捜してくるから」
「りょーかい隠密で隠れておくわ」
「よし、行ってくる!」
と、言って仕佐は影移動でゴブリンを探しに、条夜は隠密で隠れた。本当は別々で行動するのは危ない気がするが.......まあ、大丈夫だろうという謎の自信の元各々行動する。
仕佐は木陰を移動してゴブリンを捜す。条夜は木の上に登って隠れている。
条夜が登り切った直後に遠くから人らしき声が聞こえた。腰にはナイフくらいの刃物を、明らかに普通ではない格好をしている人が2人、こちらに向かって歩いてくる。
(あ、俺らの常識だから、刃物は護身用かもしれないな)
「ねーねー、さっさと殺そうよー」
「お前はそんなに殺すのが好きなのかよ」
「うん、あの斬るときの快感がたまんないんだよねー、特に柔らかい人族は」
「ふふっ、まぁ
(おおっとこれは王道展開か? 分からんけど盗賊きたー! でも1対2か)