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第三話 オリジナル魔法と極


そして一発で終わった。


.......いや早すぎでしょ! こう言うのってさ2,3日かかる感じのじゃないの?


「俺からいくぞ!」


 早速と言わんばかりに右手を正面に広げ、左手でそれを支えると技名を声には出さず唱える。


マキシマム弾!!


きれいに木を三本ほど打ち抜いた。打ち抜かれた木は、上側の支えが無くなり、左右前後にバラバラに倒れた。


「え?」


「何その魔法! 初めて見たよ」


 驚く仕佐を他所にクエルフはその魔法に興味津々なようだ。


「すごいだろー俺のオリジナル魔法なんだ!」


「え、オリジナル魔法.......?」


 クエルフはなぜか浮かない顔をしている。


「一応聞くけどオリジナル魔法は、1つだけ?」


「いや、もう1つあるよ」


「え? 見せてもらっていい?」


「いいぜ!」


ウィンドコントロール


木々が揺れ出し、葉っぱが舞い始めた。するとモンスターが出て来てしまった。


「ガサガサ!」


よりによってボアーウルフが来てしまった。ボアーウルフの討伐依頼はDランクからの魔物だ。普通に考えて冒険者になったばかりの仕佐と条夜が対処できるはずがない。


「おいおいおいおい、あれボアーウルフだよな!」


「知らないよ! 条夜のせいだからね」


「こうなったら初の.......逃げるが勝ちだー!」


言いながら一目散に国内に向かって逃げ去る。


えぇ.......なにしてんの


「あ、ちょ!」


「条夜くーん! ボアーウルフくらい倒せよー、良い練習相手だろー」


そう言いながらなぜか少しニヤっている。突然条夜が走るのをやめて戻ってきた。


「ん.......そうだな」


「行くぜー」


マキシマム弾!


謎の切り替えの速さに仕佐はジト目を向ける。そんなことも露知らず、見事条夜はボアーウルフを倒すことができた。


「おおー」


「やったね、条夜!」


「まずまずって所かな? 初めてにしては上出来だよ」


「よっしゃあ!」


「今日はこのくらいにしといたほうがいいかな?」


「ん? どうして?」


「ほら雨が降りそうだよ」


空を見ると雲が集まってきていた。


「じゃ、よし帰るか」


「どうする? また明日もする?」


「んー明日は、やめとこうかな」


「そっか、じゃぁまた今度ね」


仕佐と条夜はクエルフと別れて宿屋ライムへと帰宅した。


「なあなあ、そういえばさ」


「ん? 何?」


「まだ、街の探検してなくないか?」


「あ~……そういえばそんなこと言ってた、ような気がするね」


「忘れてるじゃねぇかよ!」


「ごめんごめん」


仕佐は笑いながら謝ると軽く伸びをしながら話を続ける。


「それで明日は、今度こそ探検するの?」


「そりゃぁもちろん!」


そろそろお腹が空いてきたので晩飯を食べに食堂に向かった。


「で、何食べる?」


「そうだなー、晩だからメニューが違うんだよなー」


そう、この宿屋ライムは朝、昼、晩と食事のメニューが違うのだ。


条夜はしばらく考えるとふと目に留まった名称を口にする。


「ウデェン食べよっかなー」


「おっ良いね」


そのあとウデェンを食べてから部屋へ帰った。それと、名前は聞いたことないはずなのになぜか懐かしい味だった。


「やっぱさ、カリーもおいしいけどウデェンも外せないよな」


それからステータスにあった「特殊」を試しに使ってみた。



(なるほど。特殊? は念話みたいなもんだな)


(というか、カリーにウデェンって。名前がもう.......ほぼ一緒じゃない? 何でこの名前にしたのかな?)


(確かにな、それは俺も思った)


『(まあまあまあ。似通った名前でもいいじゃん? 伏線って感じがしてね)』


(そう……なのか? もうちょっといい名前なかったの?)


『(いやぁ、ね。一応考えたよ)』


(うん)


『(簡潔に言うと、思いつかない! それとめんどい)』


(それはないでしょ)


『(おっと、脱線したね)』


(ちょっとま……)


『(続きどうぞ)』




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