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第19話 俺たちの1学期中間①

 中間考査までに何があったっけ?確か、授業、授業、授業、授業…。桜の教科書が届くまでの1ヶ月間、机をくっつけて授業を受けていたぐらいか。あとは…、桜に髪を切ってもらって昔の髪型に戻ったぐらいかな。あのときはみんなビックリしてたな。「なんか知らん人がいる」って。そういえばクラブ見学もあったな。帰宅部志望の俺には関係ない話だが。加太くんと海南さんは水泳部に入ったようだ。他はどこにも入らず、帰宅部になった。じゃあ勉強はしたかって?誰がするかよ。ワンピのゲームで同盟を作って最近はずっとやっている。そう、今も。


「何でQは0距離通常でジャス回(ジャスト回避の略)できんねん。」

「桜は未来見えてるよね。」


グループ通話をしながら、4vs4のバトルを何回も繰り返す。全員古参なのである程度は強い。しかし、海南さん曰く、俺と桜、きいは強すぎるらしい。


「Q、今どこらへん?」

「SSの3500ぐらい。奏は?」

「やっぱ高いわ。俺はまだ600。」

「もっと上の人いるぞ。」

「実況者だろ。あれはレベルが違う。」


俺の家に来たとき以来、加太くんのことは奏と呼ぶようになった。入学したときには友達を作ろうとすらしていなかったのに、今はこのグループには居場所がある。一方的であっても友達でいたい。


「来週からテスト2週間前だよな。」

「勉強せな。」

「成績ギリギリだったらどうしよ。」


はあと落胆する奏と俺と桜。すると海南さん。


「2週間も前から勉強するの?」

「「「はぁ?」」」

「それ私も思った!」

「「「はぁぁ?」」」

「高校生だよ。アオハルだよ。何で満喫しようとしないの?」

「いや、成績落ちたら困るし。」

「「そうそう。」」


奏と俺が大きく頷く。すると海南さんがポンと手を叩いた。


「それなら、勉強会しよ!」

「げっ。」

「げってなによQ。折衷案出したんだから褒めてよ。それとも前日まで遊びに付き合わせようか。」


海南さんの膨れ顔が想像できたので、触れないことにした。


「それなら今週の日曜とか?俺ら休みだし。」

「じゃあ日曜ねぇ〜。おやすみ〜。」


今日はこれでお開きになった。机にはマッチング中にやっていた数学の課題が広がっていた。


「よし、やるか。」


俺はもう一度気合を入れた。

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