まずは多忙につき、手紙でのやりとりになりますこと、お詫び申し上げます。
でもこの手紙はいちばん信頼のおける部下にあずけましたから、構いませんよね? 読んだあとは焼き払うなり、あなたのご自慢の
さて、とりあえずご報告したいのは、我らが愛しい妹姫、フィオナについてのことです。
あのおとなしくて、ボクらの後ろをついて回るばっかりだったフィオナは、魔法兵器開発局で思いのほか楽しく過ごしているようです。
あなたの
それでなのですが、ボクはボクに課せられたフィオナの教育係というお役目を、一時中断しようと思っています。
というのも、ボクは魔法兵器開発局に、というより先に書いたクレノ技術中尉に興味を持ちました。
彼に研究中の通信魔法を与えてみたのですが、おもしろいところと通信していましたよ。あれは、いったいどこだったのかな。通信相手は見たことのない服装をしていました。これは勘ですが、ヨルアサでもなければシンダーナでも、シソーでもない。
もうどこかしらからお聞き及びのことと思いますが、その結果として、神々は小神殿を崩壊させるにいたりました。あの激しい天罰の下り方からすると、ボクらの想像もつかない場所ではないか……そんな気がします。
それで、彼が次の閲兵式で見せてくれるという「未来」とやらがどんなものなのか、のんびり見物してみたいような気分になったのです。
これに関しては決定事項なので、文句は受けつけません。
あしからず。
ルイス・リンデン・ヨルアサより、
敬愛いたしますヨルアサ第一王女、
ソフィア・ライラック・ヨルアサへ。