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第2話

       2


 あまりにも平穏に月日は流れ、シルバは教師、リィファは生徒としての生活を続けていった。

 国民のリィファへの敵意は、シルバや自警団たちの地道な働き掛けによって、すこしずつ和らいでいった。時折見掛けるラスターは、いつも不満げな雰囲気だったが、シルバたちへの干渉はしてこなくなっていた。

 また、地球人の「勝てば解放」の約束は守られている様子で、一色服の連中は一度たりとも出現していなかった。

 地下での決戦以降、リィファの不思議な力は鳴りを潜めていた。フランとの戦闘で得た傷の治癒の折に、地球人に消失させられたのではと、シルバは予想を付けていた。

 フランについては、噂さえ聞かなくなった。決戦後の地上で最後に見せた微笑には裏を感じたが、フランの行方がわからないシルバはとりあえず静観を続けていた。

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