「何なんだよそこのガキは!!
『
特別なスキルを持ってんだろ!?」
ようやく
ギルドマスターは、俺を指差しつつ怒鳴る。
「いえ、僕は紛れもなく『無能』ですよ。
何なら鑑定でもしてみますか?
あなたを戦闘不能にしたのは、ただの
技術です。
スキルの有り無しに関係なく、練習すれば
誰にでも出来ます」
かすめるようにアゴに打撃を与え……
脳を揺らし、
当たり所さえよければ、意識まで持って
いける技だ。
「あのですね。
その子は強いですよ」
「下手をしたら『
『
ね。
最強の『無能』よ、その子は」
説明に―――
赤色の短髪をした彼は目を丸くする。
さすがに戦闘系特化スキルの2人の
言う事は、否定できないようで……
「そ、そんなわけが―――
ノ、『無能』なんかにこの俺が、
『
負けるはずは無い!!」
なるほど。
このギルドマスターのスキルはそれか。
まあでも、人間的な構造が変わらない
時点で、急所や神経に対する攻撃は
全部効くんだけど。
「
世界での戦闘方法を訓練して来た子です。
だからスキル関係なく攻撃が通るんだと
思います」
武田さんがフォローするように説明すると、
「ふざけるな!!
そこのガキは他に何か戦闘系スキルが
あるんだ!
そうだ、そうに決まっている!!
だ、だからそのガキに関しては
認めてやろう」
言外に自分を打ち負かした俺の事は
非戦闘系スキルではないとした上で
認めてやるが……
『
テイマーのスフィアさんに関しては、
扱いを変える気は無いという事か。
「じゃあ、僕の言う事なら一応、
聞いてもらえるんですね?」
「あ、ああ。
それでテイマーの扱いか?
いくら手柄を立ててもテイマーは
テイマーだ。
そこにいる『浮遊』の女もそう。
非戦闘系スキルは戦闘系スキルの補助、
もしくは後方支援しか出来ねぇんだ。
そりゃそれなりの扱いになるってモンよ」
そこで熊谷さんと白波瀬さんは、
『やれやれ』という表情になるが、
「じゃあ提案です。
先ほど、『無能』の僕があなたを
負かした事で、僕の事は認められました」
「いや、だからお前のスキルは『無能』って
だけじゃ―――」
言い返そうとして来る彼の話を途中で
「じゃあ、この2人が……
1対1でビッカブさんに勝ったら、
扱いを改善して頂けますね?」
「は?」
「ええっ!?」
俺の申し出に、武田さんとスフィアさんが
同時に声を上げた―――