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第59話・戦闘系スキルVS非戦闘系スキル01


「何なんだよそこのガキは!!

 『無能ノースキル』じゃねえ、何か

 特別なスキルを持ってんだろ!?」


ようやく脳震盪のうしんとうの状態から脱した

ギルドマスターは、俺を指差しつつ怒鳴る。


「いえ、僕は紛れもなく『無能』ですよ。

 何なら鑑定でもしてみますか?


 あなたを戦闘不能にしたのは、ただの

 技術です。

 スキルの有り無しに関係なく、練習すれば

 誰にでも出来ます」


かすめるようにアゴに打撃を与え……

脳を揺らし、前後不覚ぜんごふかくにさせる。


当たり所さえよければ、意識まで持って

いける技だ。


「あのですね。

 その子は強いですよ」


「下手をしたら『全武器特化ウェポンマスター』、

 『全天候魔法オール・ウェザー』を持つあたしたちよりも、

 ね。


 最強の『無能』よ、その子は」


熊谷くまがやさん、白波瀬しらはせさんの

説明に―――

赤色の短髪をした彼は目を丸くする。


さすがに戦闘系特化スキルの2人の

言う事は、否定できないようで……


「そ、そんなわけが―――


 ノ、『無能』なんかにこの俺が、

 『超身体強化ハイパーブースト』を持つ俺が

 負けるはずは無い!!」


なるほど。

このギルドマスターのスキルはそれか。


まあでも、人間的な構造が変わらない

時点で、急所や神経に対する攻撃は

全部効くんだけど。


雨霧あまぎり君は、魔法やスキルが無い

 世界での戦闘方法を訓練して来た子です。


 だからスキル関係なく攻撃が通るんだと

 思います」


武田さんがフォローするように説明すると、


「ふざけるな!!

 そこのガキは他に何か戦闘系スキルが

 あるんだ!

 そうだ、そうに決まっている!!


 だ、だからそのガキに関しては

 認めてやろう」


言外に自分を打ち負かした俺の事は

非戦闘系スキルではないとした上で

認めてやるが……


浮遊フロート』の武田さん、そして

テイマーのスフィアさんに関しては、

扱いを変える気は無いという事か。


「じゃあ、僕の言う事なら一応、

 聞いてもらえるんですね?」


「あ、ああ。

 それでテイマーの扱いか?


 いくら手柄を立ててもテイマーは

 テイマーだ。

 そこにいる『浮遊』の女もそう。


 非戦闘系スキルは戦闘系スキルの補助、

 もしくは後方支援しか出来ねぇんだ。

 そりゃそれなりの扱いになるってモンよ」


そこで熊谷さんと白波瀬さんは、

『やれやれ』という表情になるが、


「じゃあ提案です。


 先ほど、『無能』の僕があなたを

 負かした事で、僕の事は認められました」


「いや、だからお前のスキルは『無能』って

 だけじゃ―――」


言い返そうとして来る彼の話を途中で

さえぎって、


「じゃあ、この2人が……

 1対1でビッカブさんに勝ったら、


 扱いを改善して頂けますね?」


「は?」


「ええっ!?」


俺の申し出に、武田さんとスフィアさんが

同時に声を上げた―――





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