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第31話

「楽しかったね」


「久しぶりだったからね」


「やっぱりみっちゃんと一緒にいるのが楽しいな」


「よかった」


「手繋ごう」


「いいよ」


「へへへ」


「どうしたの?」


「幸せだなと思って」


「これぐらいで幸せと思ってもらえるならいつでも手はあけとくね」


「ならいつでもねらっとく」


買い物の帰りいつのもような会話をしながら帰宅していた


「さくらは辛かったかな」


「辛かった?」


「周りから2番っていわれていたことに私は全く気付いていなかった。自分が1番と言われていることすら気にしていなかった。だからさくらがどんな気持ちでいたのかわからない。屋上で話したときからたくさん考えたけど、やっぱりよくわからない」


わからないというのは愛の本音なんだろう。

実際愛は1番になろうと思ってなっているわけじゃなくて努力しているうちに周りより長けているポジションになってしまったというのが正しい表現だろう。

1番を目指してきたわけじゃない愛にとってさくらさんの気持ちを理解するのは難しいのかもしれない。


「辛い、辛くないはさくらさんにしかわからないことだから、それはいつかさくらさんに聞いてみていいと思う。愛とさくらさんは親友みたいな存在なんだから。ただ2番が1番を目指すというのはそんなに特別な気持ちではないと思うんだ。例えば中学時代、俺たちの地区には毎年優勝するチームがあったんだ。1年生の時は、あんな強いチームに勝てるわけないと思っていたけど、自分が3年生になったときにあのチームに勝ちたいって思うようになっていた。これは俺が何か大きく変わったというより学年が上がるごとに自然に変わっていったという表現の方があっていると思う。多分さくらさんが愛に勝ちたいと思ったのは何かがあったというよりは自然にそう思ったんじゃないかなと俺は思う。きっとそれは人が今の自分の殻を破ろうとしていて、その殻がさくらさんにとっては2位という殻なんじゃないかな」


「殻?」


「みんな自分に大なり小なり殻をかぶっていると思う。その殻を破れないから自分を出せなかったり遠慮したりしてしまう。俺もその変な殻に閉じこもっていたところを愛に割ってもらった感じだから。殻を破るきっかけはわからないけど、それがたまたまこのタイミングでさくらさんにきたんじゃないかな」


「それなら私のことが嫌いになったから私に勝ちたいわけじゃないのかな」


「本質のことはさくらさんにしかわからないけど、屋上でさくさらんは「別に深刻な空気にしたいわけとかじゃないし、愛ちゃんと仲悪くなろうとしているわけじゃないんだよ。ただ、私が愛ちゃんに負けるのが当たり前と私自信が思っていることが嫌なの」といっていたから、愛のことが嫌いというよりは愛に負けていることを受け入れている自分のことが嫌いになりそうなんじゃないかな」


「そっかぁ。嫌いになってないならいいな」


「でも愛がこの勝負をわざと負けるようなことをしたら今よりももっと傷ついてしまうと思うし、それこそ嫌いになられるかもしれないよ」


「さくらが勝つのに?」


「さくらさんは勇気を振り絞って宣戦布告してくれたのに、それを愛が真剣に望まないのは流石にさくらさんが可哀そうだよ。さくらさんが正々堂々戦おうとしているのなら、愛も本気で戦うべきだと俺は思う」


「それだ私が勝ったらさくらは傷つかない?」


「確かに負けたら落ち込むかもしれない。でもそれは傷ついているわけではなく悔しくて落ち込むと思うから仕方がないことだよ」


これはあくまで俺自身の願望なのかもしれない。

お互いに頑張って欲しいし、お互いが正々堂々全力で戦ったのなら、結末は幸せであってほしい


「そうだよね。私はさくらと全力で戦う」


「決心が着いた感じだね」


「うん!みっちゃんがそう言ってくれるなら頑張れる」


「俺はさくらさんにも頑張ってほしいけど愛のことをさくらさんよりちょっとだけ多く応援しておくね」


「ふふふ。みっちゃん大好き」


そういって愛は抱き着いてきて唇にキスをしてきた


「ここ外だから誰かに見られるよ」


「いいのいいの」


「よくないから」


そう思っていると後ろから声が聞こえた


「暑いね~お二人さん」


2人とも暗がりに急に話しかけられたからびっくりして振り返るとそこには父さんが立っていた


「父さん?」


「俊哉さん?」



「前の方でカップルがイチャイチャしているなと思って歩いてきたら知っている顔だったからびっくりしたよ」


あれどこからどこまでみていたのだろう。

父さんのことだから少し間をおいて話しかけてきたのかもしれない


「父さんいつから後ろに」


「2人が抱き着いているところはばっちりみていたけどね。もう少し人目につかないところでイチャイチャしようね」


「「はい」」


流石の愛も先ほどの行動を観られたと思っているのだろう。暗がりでよくみえないけど羞恥心でいっぱいになっているような表情になっている



~春乃家~


「さくらご飯できたわよ」


「もうちょっとしてから食べる」


「あんた最近頑張りすぎじゃない。昨日も夜中まで部屋の電気がついてたってお父さんがいっていたわよ」


「私は大丈夫。今回のテストは頑張りたくて」


「それならいいけど、勉強だけじゃなくて夕方早く帰ってきたときはランニングもしているでしょう。期末テストと持久走大会が近いから頑張りすぎるのはいいけど無理して本番で体壊したら元も子もないわよ」


「わかってるよ」


「それならいいけど」


「頑張らなきゃ」


愛ちゃんより上を目指すと決めて努力を続けているけど、実際にやっているからこそわかるが、愛ちゃんの日々の努力って本当にすごいと思う。愛ちゃんは器用だけど天才ではない。勉強をしなくても点数がとれるわけじゃなくて点数を撮れているのは努力を重ねているから。愛ちゃんがなんであんなストイックなのは私はわからないけど、多分愛ちゃん中で何かがあろうのだろう。


期末テストまであと1週間、持久走大会まであと2週間。

頑張ろう1位を目指して

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