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03 屈辱!CEOは強制契約された!

次の瞬間、リカは思い切りカバンを青年の腰に投げた。

「ゲッ!」

青年は仰向けで倒されて、剣が地に落ちた。

リカが黙って近づいてきたら、青年は両手で頭を防いで悲鳴を上げた。

「ゆ、許してください!本当に事情があります!どうか、どうかご慈悲を……」

でも、リカは剣を拾っただけで、これ以上青年に何もしなかった。

「人を助けたいなら、もうそこで醜態を晒すのを止めて――さっさと動け」

「えっ……?」

「どうしたの。あの家族が全員殺されて、暗黒組織に狙われて、天真爛漫な弱虫になったCEOを助けるんじゃないの?」

リカは冷たい声で聞き返したら、青年の動きがピッと止まった。

「ぼ、僕の話を信じてくれるのですか?」

青年は体を起こして、跪いたままリカを見上げる。

「疑う理由はない」

「あ、あなたは……」

青年の目が潤んで、全身が震えている。

三秒後、ぴょんと跳びあがって、両手を広げてリカにダッシュした。

リカは反応早く後ろに引いたら、青年が勢いのままコンクリートの地面に身を投げた。

それでも、青年はなんとかリカの片足を掴んで、泣きながら叫んだ。

「何千人に話をかけ続けていた!僕の話を信じてくれたのはあなたしかいなかった!」

「これは絶対神様のご意思なんだ!どうか、どうか……我がCEOを救ってください!!」


リカは足を取ろ戻そうとしたが、青年は速乾のりのように彼女の足と一体となってびくともしない。

「先の一瞬で確信を持った!」

「あなたの慈悲のない超然な態度、氷原の白熊さえ凍らせる目線、迷いなく剣を抜く威勢、乱暴で強引的な解決手段、信じがたい話を聞いた時の沈着冷静、それは、全部、我がCEOが失った素質なんだ!」

「どうか、どうかCEOの家庭教師になって、その極上な覇気をCEOに教わってください!!」

ピカッと、必死に叫んでいる青年の頭の上に、何か硬くて鋭いものが光った。

「離さないなら、救急車か警察か、一つを選んでもらおう」

***

思い出せば、あの時から、この青野翼という人はかなり衝撃的なパフォーマンスをしていた。

犬は主人に似ていると言われているが、この秘書とその主人が反面例のようだ。


「もしかして、リカさんはお金に困っていますか?」

イズルはリカが提示した巨額数字を見て、頭を傾げた。

「いいえ」

リカは温度のない声で説明する。

「この中には――出会った日、彼が私の生活を荒らした賠償金、私のカバンを壊した賠償金」

「クラブに入職する日に、邪魔に入って私の契約を妨害した賠償金、クラブのガラスケースを壊した賠償金、契約破棄のせいで私の名誉が受けた損害への賠償金」

「あなたたちのような怪しいものと契約するリスク保証金、そして、単純にあなたたちのことが気に入らないから、わざとハードルを上げるためにつけたとんでもない高い金額が、含まれている」

「なるほど、一理があります!」

CEOは目をパクパクして頷いてから、また青野翼に向けた。

「クラブのガラスケースを壊したの?なぜそんな無礼なことを?」

その純粋な少年の瞳に苦しめられているように、青野翼は頭をベンチに何度もぶつけた。

「CEOさんのグループには、人に告げられないA社、闇の深いB社、道徳と法律の境をさまようC社、善良な人々を激怒させるD社を有しているから、赤道と本初子午線さえ買い取れると言ったでしょ。このくらいの金額は出せなものではないでしょう」

リカは無表情で青野翼を追い詰めた。

「確かに、言ったけど、それは、今は……」

青野翼は口ごもっていたら、横からイズルが話を断った。

「すみません、リカさん。この金額は家庭教師にして合理ではないと思います。この話をないものにしてください」

「では、また」

リカはなんの未練もなく向きを変えた。

「待ってください!」

青野翼はリカのカバンを掴んで、イズルにもう一度呼びかける。

「子を惜しんでいてはオオカミはとらえられない!CEO、命がかかってるから、契約しましょう!」

「いいえ、お金は大事に使うべきだ。浪費してはいけない」

「命より大事なものはナ―――イ!!!」

ついに発狂した青野翼は鼻から火を噴くドラゴンのように、イズルの右腕を脇の下に挟んで、イズルの親指をいつも間にか出された朱肉に強引的に押し込んだ。

「もう決めました。CEOの金銭観から叩き直してあげます!!」

青野翼はリカから条件書を奪って、イズルの親指をその紙に押す。

「何をする?!契約しないっと言ったろ!!」

イズルは全身全霊で抗えていたが、青野翼の速乾のりのスキルに敵わなかった。

屈辱の境界線が少しずつ迫ってくる間に、イズルは悲鳴しかできなかった。

「離せ!人権違反だ!不平等条約だ!屈辱条や――あああああ!!!」

悲痛な叫びの中で、契約は成立した。

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