【キャラ紹介】
〇
家族で自称するが、本当は新興宗教団体のような組織。異能力者を集め、育て、裏で社会を操ることを目的にしている。
〇リカ:
万代家7代目の長女、継承順位一のお嬢様。
聡明で容姿秀麗だが、冷酷毒舌、融通が利かない。
逆上を狙う友人に嫉妬され、陥れられ、家から追放される寸前。
〇
大企業
家族全員が万代家に殺された「事故」で、なぜか彼だけが異能力が覚醒し、災難から逃れた。
復讐のためにプライドを捨てて、リカに媚びを売るつもりだが、相手に本当のバカにされたみたい……
〇
万代家のライバル組織の幹部。イズルの復讐に手を貸している。
性格が悪い。嫌がらせをするのが得意。
〇エンジェ:
リカの友人で、自分こそが本当のヒロインだと信じ、「悪役令嬢」のリカの人生を乗っ取ろうとしている。ただの夢女ではなく、ちゃんと手段と頭脳を持っている。
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とある主人のいない民家の中で、侵入者は毒のような甘い囁きを吐きながら小細工をしている。
「これで、あんたのものはあたしのものになるわ」
盗聴器、盗撮カメラをベッドの下や引き出しの裏側、押し入れの隅にしっかり固定し、それから、変な文字が書かれている数枚の札を部屋の片隅に隠した。
「なんの特別な力もないあんたは、この家族の『王女』に相応しくないのよ。あんたの王位、あんたの王子様、あんたの幸運……全部あたしのものになるの。愚かな部下たちと『蛮族の世界』で余生を送りなさい。世界が変わったら、あんたのいない『異能力』が生まれてくるかもしれないわ」
扉の外から足音が近づいてくる。
侵入者をここに案内した家政婦だ。
「まだですか?もうこんな時間だし、早くしないと疑われちゃうよ」
家政婦は扉を開いたら、あるイケメンの青年の姿が目に映した。
「忘れ物を見つけました。ありがとう、
「青年」は嘘のことを口にながら振り返って、母親よりも年上の家政婦に愛想のいい笑顔を見せた。
「今回は本当に助かりました。あれがないと、あいつときれいに別れないからね」
「リカさんもリカさんですね。一族の長女とはいえ、好きな女子のいる男を強引に縛るなんて……お二人はきっと大変でしょう」
ゴシップ好きな家政婦はやれやれと嘆いた。
「いろいろ邪魔されたけど、幸い、皆の助けがあって、なんとかなりそう。エンジェとの結婚式で
「ほほほ、期待していますわ」
この住宅区は特別なものだ。選ばれたものしか入居できない。
よそ者を入れるのを厳しく禁止されている。
だが、毎回も額のいい「お礼」をもらっているし、青年の態度も心地よいもので、家政婦はいつも喜んで青年に便利を提供している。
ただ、彼女が「イケメン青年」だと認識している人は、防犯カメラの中で映された姿は、イケメンでも男性でもなく、青色の染髪を持つ細い女子だった。
――
数か月後、その民家の主人の少女は、呪われたように血まみれな姿で森の祭壇に倒れた。
――
人生の乗っ取りが、成功した。