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V1.41  人類は敵か味方か



「景色いいね〜?」


「うん!」


 私たちは衛星軌道ポータルのあるビルのそのかなり上層の方まで登って来ていた。ここからの景色はかなりいいもので、遠くにギリギリ博物館が見える。



「それでもしもその星が花恋様の故郷だとして、今後博士はどうするおつもりで?」



 私たちとは離れたところでは、パパと因幡さんが仕事について話し合っていた。


「花恋を第一に考えている。彼女が取り返す…。というのであれば「ソレ」に立ち向かわなければならないだろう」



 ママの故郷…



 はるか遠く。この広い宇宙のどこかにある星。そしてママはそこからやってきたらしい。


 詳しい話は教えてくれない。


 わかっているのは、そこが「戦争中」だったということ。

 ママはそこから逃げてきたこと。

 そして、その星がどこにあるのか分からないということ。

 そのくらいだ。



「那由花。こっちへおいで。ゆきちゃんも」



 そんな会話の中で、ママはパパ達の話に返答を返す前に私達を呼んだ。


 もちろん、この時私は何も知らずにママ達の元へ向かう。

 このあと、自分がどういう存在なのか知ることとなるのも知らずに…








「私が故郷に対して回答する前に確認しなきゃいけないわ」


 ママはそう静かにしゃべりだした。それと同時に私を自分の前に抱え込むように腕の中に入れる。おお…。優しい香りが鼻腔びこうをくすぐる。


「あなた達太陽系人類は敵か?それとも中立であるか?出来れば味方だといいなとは思っているわ」


 私を抱え込むママの腕に力が入る。その腕はかすかにふるえていて…


「今も、昔も、君に会って好きになった時から私は味方なのだがな?」


「それは今までずっと感じてきていたからわかっているわよ?でもこの星の人間として、勇人は私についてくるの?」


 そう、ママはパパに向かって言い放つ。あれ?なんかこれ、回答次第で修羅場じゃね?だがしかし。


「当たり前だ!」


 パパは即答して見せた。おっ、パパ男前だー!


 続いて因幡さんもママに回答する。


「我々人類が、太陽系人類が生き続けていくならきっとその将来。その障害は我々にもきばくでしょう。私たち防衛省はそう判断しました。ゆえに、あなたがもし我々に「ソレ」について教えてくれるなら、味方であることをちかいましょう。これは、太陽系人類の総意であると受け取ってもらって構いません」


 因幡さんはママに向かってはっきりと味方であると言いきった。因幡さんもかっこいい!


「わかったわ、那由花ー。ごめんね?私はあなたに本当のことを伝えないといけなくなったわ」


「ほ、本当のこと?」


 ママの顔を下から覗き込む。ま、ママはとても寂しそうな顔で私に言葉を投げかけた。


「あなたはこの「戦争」に巻き込みたくないの。だけど、16歳のあなたは既に向こうでは成人。だから知っておいて欲しいの。「家族」のためにも、もしもの時のためにも…」


 もしも?…もしも何が起こるって言うの!!


「ダメッ!!」



「大丈夫よー?少なくとも私独りで戦いに行くことはなくなったわ」


「2人だがな」



「あなた…」


 あのー!すいません!こんな時に桃色の空間作らないで貰えます!?実の娘の前で!!私!割と本気で言ってるんですけどー!


「ママ!約束して、何があっても生きて帰って来て欲しい」


「…」


 それが最低条件。これからたぶんそのことについて、ママと私の「家族」についての話をするのであろうことは予想ができる。ママが戦争に行くということも…

 そんなのずっと必死に戦争中の故郷を探している時点でわかる。なんのために、何年もかけて宇宙の星を旅してたのか。なんで、そんなに必死なのか。



 たぶん、そこに、ママの家族がいるから。




「約束」


「わかったわ。必ず戻って来る」



「うん!」


 もしもなんて許さない。死ぬなんてことは…。言わせない。



 ママはゆっくり、私に語り出した。

 これは、ママの故郷で起こったことと、私の「使命」について。

 こうして、私は。私について知ることになる。






ーーーー






























 ス「■ータ…ス


名前

 米嶋 那由花(…………?)


年齢

 16歳


性別

 女


…ヽ☳花

❨@*、'”'❩║◆[■□…


能りょ…値

推定…20#


パレ■ト

■■


21■■■■■


体質

〜■●─$(





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