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V1.35  半公式プレイヤーになる




「ユキさん。ナユカさん。おふたりを半公式プレイヤーに迎え入れたい」


「はい?」



 アキアカネさんが言ったその言葉を理解するのに、その他の思考回路を一旦停止。


 ん?半公式プレイヤーにならないかってことだよね!?そういうことだよね!?え?やっぱりどういうこと!?



「やっぱり…ユキ。伝えて、なかった」


「驚かせたかったからね〜」


 私の反応を見て、やっぱりと少し呆れたようにユキを見るヒカリさん。


「え?どういうこと?ユキは全部知ってたの?」


 この感じだとやっぱりユキは知ってて…。だから朝ログインしてきた時から落ち着いてたのか!!



「知ってた〜。と言うより私が元々、半公式にさそわれてたの〜。それで、なってもいいけどその代わりとして条件をつけたのね〜」


「条件?」


 ユキは元々オファーもらってたんだね?すごい。ただそれにこっちから条件つけるのはなんか違うような気が…。あ、でもあれだけ大会とかで優勝してれば通る…のか?



「条件は「もう1人。私と一緒に半公式プレイヤーにして欲しい」というもの。私はこれ聞いた時に驚きましたよ?」


 アキアカネさんが補足するように語ったそれを、さも当たり前のように胸を張るユキ。いや、アキアカネさんの反応が普通だと思うなぁ。


「もう1人って…」


「そう!これからゲームを始める女の子「ナユカ」を同時に半公式プレイヤーにして欲しいと言ってきたんだよ」


 私がゲーム始める前からそんなこと言ってたのッ!?



「まあ、流石にこちらも無条件で半公式プレイヤーにすることはできなくてね。それが初心者どころかこれから始めるとなると、その子に半公式プレイヤーの「仕事」がつとまるとも思えない」


「仰る通りで」


 そりゃー、そうなるよね?私でも無理と断りそうな提案だよ。どこの誰がそんな無茶振りを…。ユキかぁ〜。



「だからヒカリがこちらからも、ユキに条件を設けることにしたのです」


 それでもかなり譲歩じょうほしてもらってるね。普通断るよ?それほど公式側はユキが欲しかったって事なのかな?



「ん。条件。「今度の武闘大会。チーム戦。ユキ、ナユカ2人で優勝」」


 なるほど、だからユキは私とデュオの部で優勝を目指していたのか。私に内緒で。



「そしてそんな厳しい条件をまさかあっさりクリアするとは思ってなかった…」


「条件クリア。ナユカも正式。半公式プレイヤー、なれる」


「まあ、もっとも、今回の条件がなくてもそのうちこうして半公式プレイヤーに誘われてたと思うよ。あんだけ人気なら時間の問題だったのかもね?」



 いきなりそんなこと言われてもなぁ。私は楽しくユキ達とゲームできてればそれでいいんだけど。



「そもそも。その「仕事」って?実況?」


「違う。半公式プレイヤー。プレイヤーは今のところ。「実況者」「解説者」しかいない。でも…」


 でも?私とユキもそれになるんじゃないの?


「新しい職業が追加される。それにユキとナユカはなる予定」


 と、言われてもいまいちわかってないんだよねぇ…。そもそも半公式が何かもわかってないのに。


「ナユカ。私と一緒に半公式プレイヤーになってくれないかな?別に仕事って言っても拘束されることはちょっとしかないし、楽しいと思うんだ〜。私はナユカがやらないと言うんなら私もやらない。ナユカがいないなら楽しさよりも退屈だと思うから。でもナユカがやるなら…。私は君の隣に立つよ」



 むぅ…。いっつもそうだ。ユキは私が迷ったり、不安になったりするとこやってはげましてくれる。

 違うよ、ユキ。


 ユキはもう私の隣にいるんだから。



 たぶん私が間違っても隣で治してくれる。

 たぶん私がどこかに逃げても隣にいてくれる。


 たまーーーーにっ!自分のやりたいことの方へ私を巻き込みながら、変なところに突っ込んで行くけど。そんな友達といると私は楽しいから。



「やるよ。半公式プレイヤーに。…なるよ」


「やった〜〜!!ありがとうナユカ〜!!」


 ほらね?別にユキと「仕事」に少し拘束されるとしても、それはきっと楽しいものになるに違いない。


 私は満面の笑みで抱きついてくるユキを感じ、やっぱりユキといると楽しいと思うのだ。





「ん。それじゃ。「仕事」内容を伝える」


《新たに「ユキ」「ナユカ」を半公式プレイヤーに任命しました》


 システムアナウンス。これは半公式プレイヤーしか聞こえてないらしい。



《「ユキ」を職業「アイドル」「ナユカ」を職業「アイドル」に任命しました》



 おう…?



「「アイドル」?」


「そう。ゲーム内外問わず、このゲームの宣伝。イベントの時のマスコット役。色んなところを巡って行く」


 さっそく、その仕事について説明を受ける。


「ユキは知名度とその強さを、ナユカは知名度とこないだ歌った歌を評価された感じだね」


 へー、メインテーマみたいなやつに、適当に歌詞つけただけなんだけどなぁー。一応それなりにそれっぽいのに仕上げたけど、あれ結構見栄え重視の技だから。


「あ、ちなみにあの歌。公式が採用していいかって聞いてきてたよ」


「はい!?」


 え、なんか。ガチで「アイドル」させようとしてる!?というか結構適当な歌なんですけど?


「あ〜、ナユカがこういう活動するのはもうナユカパパには確認とって許可貰ってるから〜。むしろノリノリで賛成してたよ〜」


 外堀も既に埋められていた件。パパぁー!!


「早速。明日、ゲリライベントとして。闘技場でライブ。する」


「ウソッ!!!!」


「あ、ほんとだ〜、今公式から告知出たよ〜。動くの早いね〜」



「うげっ!!?」


 ほんとにイベントの所にNEW!ってでかでかと書いてある!?内容までは書かれてないけど、ここで歌えってことだよね!?


「ナユカ〜、初仕事頑張ろうね〜」


「…うん」


 やべぇー、今からやめてもいいですか?





ステータス



ーーーー



名前 ナユカ


職業「アイドル」

所持金 199 908 300G

ギルド「力の解放」

ランキング:85 003 408 123位

ランク:R


HP

0├───────────┨


MP

0├──────────╂┤


SP

0 ├───────────┨


GP

0 ├───────────┨✕


EP

A ┠───────────┤可能出力100V


WP

0┠───────────┤10 〇


CP

-5├─────╂─────┤5


称号「回避の極意」「覇者」「半公式プレイヤー」




《スキル》


『パッシブ』


「原型」

魔力 気力 霊力 電力 妖力 魅力 


「強化系」

体力強化 魔力強化 職業強化


「生活系」

食べる 家事 計量


「感覚系」

暗視


『アクティブ』


「属性系」

火 光 風 水 土


「変化系」

火炎 爆発


「鑑定系」

植物鑑定 鉱石鑑定 物品鑑定


「色彩系」

赤 青 緑 紫


「動作系」躱す 回す 伸ばす 直角 止める 減速 連動 集合 舞う 帰還 条件 打ち上げ 曲げる 振りまく 追尾 緩急


「設置系」

魔法陣 設置


「音響系」

歌唱 効果音


「表示系」

地図 表示 隠蔽 掲載


「部位系」

足 手


「命名系」

技名 合技


「技術系」

短剣術 剣術 槍術 弓術


「造形系」

星 針 魚 桜 獅子


「体術系」

叩く スーパーアクセル 蹴る


「防御系」

防護 受け身


「装備系」

装備


「生産系」

鍛治 裁縫 調理


「飛行系」

ジャンプ 飛行 フライ


「状況系」

逆境 鼓舞


「行動系」

拍手 笑顔 投擲 与える 微笑 ポーズ


「?」

念話 アイドル





ーーーー


【煌星流姫「ペンタゴンスター」】


【舞戦扇武「ダンスフィンブレード」】


【昇華星林「トゥインクリング ナイトフラワー」】


【赤眼発動「ワールドビュー」】


【君と咲かせよう】


【弾幕響鳴「スピリチュアルビューティ」】


【月降翔姫「バンブーロケット」】






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