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V1.32  ビュアの動画

 *>>三人称視点



 とある一室。RBG内とは思えない軒下にスイカを添え風鈴の音がチロンチロンと鳴り響く田舎な風景に当たり前のように順応し雑魚寝しているセーラー服のJK。


「せんぱーい!知ってますかー?」


「あ?なんのことや?」



「リリースのビュアが上げてる動画ですよ」


「ん?あぁ知ってるぞ?てかこのゲームやってて知らねー奴なんて、ほとんどいねーんやないか?」



「じゃあ昼前に上がった動画は見ましたか?」


「…は?なんやそりゃ。…知らねーな?」



「見て下さいよー」


「今から?」



「はい!」


「まあ、いっか」



*



サムネイル・リリース同盟組みました!


「は?同盟って早くね?」


「同盟組んだ相手もやばいんすよ!」


 そんな場所に間違いにもフォログラムウィンドウが浮かび上がったかと思うとそれを2人して覗き込む。



『皆さんこんにちは!今日は「リリース」についてのご報告動画になっています。ということでリリースの皆さんそろってますよ』


『よろしく〜』



『毎度ビュアも大変だな』


『好きでやってますから。それほどでもないですよ?さて、今回のご報告はサムネの通り、私たち「リリース」は同盟を組みました』


『ちなみに、今いる場所は私たちのホーム。闘技場近くの博物館だよ!』



「そんなんあるんか?」


「私は地球に行ったこともないですから…。わからないッスよ?」



「では早速、同盟を組んだ皆さんをご紹介します」



 ビュアがそういうと、カメラのアングルが変わり、大きな会議室を映し出す。そこに移されている面々は各ギルドのリーダーだった。


「いやいや、アホやん!!明らかに混ぜたらあかんやつが2人おるやん!!」


「ウッス」


 2人からしてもそこそこ名の知れたプレイヤーだったのだろうか?もうウィンドウを突き抜けんばかりに覗き込んでいる。


『それでは紹介していきましょうか?』


『任せるよ〜』



『それでは皆さん一言づつ。なんでもいいのでお願いします』


『『『はい』』!』

『うむ』

『おう!』


『それではまずはギルド「インフォメーションコーポ」のリーダー。セリエルさん』


『紹介に預かりました。「インフォメーションコーポ」のセリエルです。この度は同盟を組むこととなりました。まさか入れてもらえるとは思ってもいませんでしたけどね?私は元々、相互情報交換の予定でしたが、ユキさんから今後も協力関係でありたいとおさそいいただきましてね。即答でOKしました。皆さん情報が欲しい場合は是非「インフォメーションコーポ」をご利用ください』



『次に、ギルド「開拓師団」のリーダー。サーニャさん』


『「開拓師団」リーダーのサーニャよ。よろしく。…そうね。そこのセリエルとは元々協力関係みたいなものだったから。そのえんあって今回同盟に入れてもらったわ。いろいろ偶然が重なっただけ、とも言うわね』



『それでは次に、ギルド「生産職連合会議」のリーダー。ジークさん』


「ワシはジーク。「生産職連合会議」の代表をさしてもろーとる。わしらのところも、縁あって同盟に入れてもらった。武器やアイテムなど。ちょうどこの博物館に近い位置に、わしらのホームもあるのでのぅ〜。よっていってくれ」



『はい。次にギルド「Jチーム」のリーダー。ワダチさん』


『は、はい。えーと。「Jチーム」のリーダーワダチです。これからは同盟のためにもいっそうクエストなどクリアしていきたいと思います。あと、メンバーの人数を生かした仕事などもこなして行けたらな。と、考えています。よろしくお願いします!』



『それでは最後!!「闘技戦士団」リーダー。ヴォーガードさん』


『おう!俺ら「闘技戦士団」。その団長ヴォーガードだ!よろしくな!!戦いはまかせろだぜ!!!』


 思わず2人は顔を見合わせた。


「…ヤバない?」


「もうここには喧嘩は売りたくないですね」



「地球なのが救いやな…」



『ということでこの6ギルドで同盟を組みました。名前は「CSF」。「Central Symbiotic Federation」の略です』




「やばいな…」


「せんぱーい!さっきからそれしか言ってないっすよ?ちなみにまだ終わりじゃないですからね?」



「は?まだ終わりやないの?」




『それでは次に、「リリース」について。新しいメンバーをご紹介します』



「シオリ」


「なんすか?」



「これ絶対まともなやつやないやろ?」


「っすね!」


 予想はあたる。まともなプレイヤーがリリースに入れるわけがないのだ。


『それでは皆さん自己紹介…。いりますかね?』


 次にカメラはその会議室の部屋。さっきの角度からは絶妙に映らなかった位置にアングルを移し、新メンバーを写す。


『「リリース」に入った。ヒカリ。よろしく』


『いろいろあってヒカリに先手を打たれ、さらにこのあと、上にどうやって報告しようか。まあまあ真面目に悩んでいる。アキアカネです。よろしく!』


『…』(( *˙ω˙*)و グッ!)




「何やったら半公式のプレイヤーがギルドに入ることになんねん!!」


「さー?」


 どんなプレイヤーかと思えば半分グレーゾーンな半公式プレイヤーを引き連れてきたリリース。


「あと、最後の子は普通に知らん!!」


『最後のこの喋らない緑髪のチビは〜、プレイヤーネーム「キリア」。主にアイテムを作ってる子だよ〜』



「だそうっすよ?」


「アキアカネとヒカリは普通に反則やろ?」



『以上で報告を終わります。今後もこのビュアの動画をご贔屓ひいきに!』


 2人のようにこの動画を見て放心状態になったプレイヤーが数多くいたとか…。逆に調子に乗ってリリース加入を目指し玉砕したバカもいたとか…



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