現在、私は久しぶりのパパとママ。ついでにゆきと夕食を食べ、その後もいろんなお話をして過ごしていた。
会えなかった時間の分。私はここぞとばかりにパパとママに何をして、何が楽しくて。そんな他愛もない話をして。
最近はRBGを始めて。そのRBGの内容が
お風呂や、その他いろんなことも済ませて、今日はRBGにログインすることなく。早めに寝ようと思う。いや、結構長い時間お話してたからそんなにいつもと変わらないんだけど。
「そんなとこ立ってないでー、早くおいで。一緒に寝に来たんでしょー?」
「…うん」
パジャマに着替えて、枕を抱きかかえながらママの寝室に行くと迎え入れてくれました。私が来るのはお見通しらしい。
少し恥ずかしいけど。それよりも甘えたい欲求の方が勝っちゃってる今の私は、きっと顔が少しだけ赤くなってる。あ、お風呂のせいかな?
ママの部屋は少しほかの部屋とは違い、昔の西洋のような部屋になっている。ベットも大きく天幕付きで私のよりも何倍もでかい。うん。でんぐり返しとか余裕で出来るよ!!
ちなみにこの部屋。ママの趣味と言うよりかは、トビィがセッティングしているらしくいつも
私はこの雰囲気好きだよ。
「ねえ、ママ。なにか話して?」
ママのベッドに入り、その温もりを肌で感じる。
「話って言っても私ー、あんまり話せるようなお話知らないよー?子守唄でいい?」
「うん」
小さい頃から私がこうしてママと寝てると、ママはママの故郷に伝わる子守唄を私に
何回も聴いてたから内容も全部覚えてしまっているが。
私はこの子守唄が好き。
歌の名前は「
ママは静かに歌い出した。
「
まず1
きっとたくさんの花が咲き そして美しい世界に
1
生き物を
1輪 それは予言の花 絶望の予言
集まった「家族」を
1輪 それは願い事の花 希望の世代
枯れた1輪と新たな「家族」 力 それらを輝きとして ここにあるのは 受け継がれし笑顔 叶う 今はまだ 詩の続きを 君へ伝えよう
1輪 それは叶わぬ恋の花
見つめ続けた窓に 力 悲しみに負けず 生きてゆけ ここにあるのは 見えない物 叶え 次に
1輪 それは
囲われた
1輪 それは忍耐の花 毒を盛って
自らを制す 力 赤い花びらに 次の季節を探す ここにあるのは 春の季節 続いてゆけ 私の「家族」 詩の続きを 君から受け継ぐ
1輪 豊かな心を持つ花 暖かな気持ち
周りをも巻き込む熱い 力
1輪 それは空を飛ぶ花 鳥のように 鳳凰のように 力 胸の
1輪 それは灯火の花 暗闇を照らす
偽物の 力 間違った 諦められない空は 不器用な私 ここにあるのは 真実の願いと 次の光 詩の続きを 君に願おう
1輪 それは
真実の 力 甘い香り 母の笑顔と 不器用な願い ここにあるのは 「家族」の
1輪 それは
技術の 力 晴れた「世界」に 再び
1輪 それは枯れない愛の花 うるやかなる
1輪 それは
1輪 それは健康の花
1輪 それは元気いっぱいな花 心踊る 笑顔 無邪気な 力 様々な色に 「世界」を染めて はしゃぐ ここにあるのは そんな「家族」と 見つめる私 詩の続きを 君につなごう
1輪 それは
何も無い 力 そんな花でも 「家族」はあった ここにあるのは 感謝の気持ち 幸せな時間 さあ
詩の続きを 君にも渡そう
1輪 それは
1輪 それは
罪なき小さな 力
1輪 それは戦いを宣言した花 抗う意思と
戦う 力 守ろう 大切な「家族」と 「世界」のために ここにあるのは たくさんの意志 決意 詩の続きを 君と逃がすよ
」
始まりの唄と全部で19の唄が
その唄は、時に優しく。時に苦難を示しながらも「誰か」を思う気持ちで構成されていた。ゆっくりと唄われるそれは。
唄が終わり私が話しかけようとママの方に顔を向けると…
「那由花…。ママの故郷ではね。19の唄までしかないの。でも今から20番目の唄。那由花に唄ってあげるね」
静かにそう私の口に人差し指を当てながら、静かに。でもいつもより真っ直ぐな
「 1輪 それは呪いの花 愛する「家族」 取り返すための 力 暗闇の中の恋に たくさんの花を咲かせて ここにあるのは 真っ黒な世界に 生まれた家族 詩の続きを 君に任せる 」
歌い始めたその20番目の歌詞を私はたぶん、1回で覚えた。それだけほかと雰囲気が違う…。たぶんこれは20の唄の中でも、1番の悲しい唄。最もその歌詞の意味が、力がすぐ近くにある温もり。…そう感じたから。これはまるで…
第2話 「F」lower Song
作者コメント
RBGは単なるゲームものではありません。ゲームが中心になった近未来の物語です