*>>ナユカ視点
あれから私は数回程ランキングバトルをした。しかしいくら公式戦でHPは戻るとはいえメンタル的な疲労を積み重ねるのは良くない。とりあえず休憩がてらユキの元へ向かった。
そこには、何人かのプレイヤーが集まっておりユキと真剣に交渉している。どの人たちも私の知らないプレイヤー。ちょっと話しかけるのは
しかし、ユキが私の姿に気付くと話を早々に切り上げ、その集まっていたプレイヤー達はどこかに行ってしまった。あ、あれ?
「おかえり〜どうだった〜?」
「一応全部勝ったよ!1戦目は大会で当たった人だったよ!」
「うんうん、見てたよ〜?よく勝てたね〜?えらい!」
「んへへ〜」
休憩ついでにユキの元にやってきたのだが、もう既にお仲間探しは終了でいいらしい。私…結局何もしてなくない!?
ユキは街作りに関しての協力者を募ることができて良かった。と闘技場から帰りながら言っていたので、そこそこ、いい結果を出せたのではないだろうか。見てないから知らないんだけど!…まあ、こういったことはユキの得意分野だ。任せた方が上手くいく。やっぱり私いらないじゃん?
そんなこんなで、ノアに戻った頃には夕方になっていた。結構な時間バトルしてたのに…。ユキはその間ずっと今後の計画について、他のプレイヤーと話してたらしい。
時間もいい感じなのでギルドホームになった博物館でログアウト。今日はいろいろあったけど楽しかったね!
*
ログアウトしてすぐに、何故か私の真横で目を覚ましたユキ。
添い寝してるのはもう何も言うまい。というか言っても聞かないもん!
目覚めた私たちを察知したのか、ナビィが室内に設置されているスピーカーで(パッと見見当たらない)話しかけてきた。
『お目覚めですね。姫様』
「うん?どうしたの?」
普段、そんなに
『勇人様と花恋様がお戻りになりました』
「パパとママが!?もう家にいるの?」
え?まじで?
先週帰ってくるとは聞いてたけど!!いつもより早いね!
『リビングにいらっしゃいます』
「すぐ行く!!ゆきも!行くよ!!」
「こりゃ〜。手間が省けた〜」
とりあえず、急いでベットから降りた私に聞こえたゆきのつぶやきは。
「なんの手間が省けたの?」
「ん?ううん。なんでもないよ〜」
ゆきの笑顔にかき消され、普通に誤魔化された。
まあ、今はそれどころじゃなかった!パパとママに会いに行かないとね!!
1年ぶりくらいじゃないかな?2人がここに帰ってくるのは。とりあえず長い廊下をゆきと一緒に駆け出した。
*
私はゆきの手を引きながら家の廊下を
家が広すぎてまだリビングにつかないけど…。デカすぎるんだよ。この家。
「おかえり!!」
リビングに入るなり、私は元気よくそう言った。リビングにはもちろんパパとママがいて。椅子に座ってコーヒーを飲んでいた。
「あぁ。ただいま」
「ただいまー!!ナユカー!元気にいい子してたー?」
そう言って私の両親は出迎えてくる。
「もー。もう子供じゃないよ?」
「私たちにしてみれば大事な子どもよー」
別に嫌なわけじゃないけど…。そんなはっきり言わないで欲しい。照れる。
「こんにちは〜。勇人さん。花恋さん」
「雪ちゃんもこんにちはー!んー?今はこんばんは?」
「どっちも変わらんだろう…。いらっしゃい雪。変わりはないようだな」
ゆきもパパとママはもちろん知っている。小さい時からずっと私とゆきは遊んでいるからね。
「いっつもありがとーねー?最近はゲームも一緒に誘ってくれたんでしょー?那由花、迷惑かけてない?また、変なことしてない?」
いや!してないからッ!!
「はい〜。結構暴れてますね〜。最近だとゲーム内容を180度変えちゃったり?」
「それユキが主犯だからッ!!私は悪くないよ!!」
「あらあら、やっぱりー?」
「ママもそれで納得しないで!!」
ゆきったら私が悪いみたいじゃん!!みんなで変えたんだからね?決して楽しそうとか、そんなノリで…
…やったなぁ。けっこう乗り気でやったなぁ…
「後で動画見とくわねー」
「ちょっ!?なんで動画のこと知ってるのっ!!?」
あれ?私、ビュアさんのことなんて一言も家で言ってないのに!!
『姫様のことならおまかせください』
「お前かッ!!!」
サラッとナビィがママ達にそのことを漏らしていたらしい。
『報告義務がありますから』
「先生ーー!!プライバシーというものは私にはないのでありますでしょうかーーー?」
『別に、全部を報告しているわけではありませんよ?例えば、最近姫様がたまに就寝前、「ちょっっっと待てーーー!?!!?!やっていいことと悪いことがあるでしょッ!!?何くちばしろうとしたッ!?」別に悪いことではありませんよ?』
まじで私のプライバシーがないんじゃねッ?ない!!
「ダメッ!」
「あらあらー!那由花は寝る前に何やってたのー?」
ちょっ!?
「ママも聞かないでッ!!」
「あー…。そろそろいいかな?那由花に少し真面目な話をしなくちゃいけなくてね」
なかなか
「なに?」
ちょっと不貞腐れた私の声が、怒気を含んでいても仕方ないのだ!
「あ、あぁ…。花恋の故郷についてなんだがな。…見つかったかもしれないぞ」
…へ?
「ほんと?」
「まだ可能性だけどねーー!」
「じゃ、じゃー!パパとママはもう旅をしなくてもいいの?」
ママの故郷。こことは違う。太陽系の外の故郷。
それを探す旅の終着点が。…見つかるかもわからなかった終着駅が。
「まだしばらくは、調査やらビーコンの管理。色々なことを遠方から確かめないといけないが、ここ
「やったーー!」
それってしばらくはパパとママが家にいるってことだよね!!もし、その故郷について確かめることがあってもビーコンがあるってことはすぐに帰って来れるってことだし。
いっぱいRBGの話とかしたいし。
「リリース」のみんなのこととか話したり。
パパと遊びたいし。
たまには…。ママと一緒に寝たりしたいし…
少し…。甘えてもいいよね…?
私は、