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022  わたし



 わたしは生まれつき身体が少し弱い。それは病気、という訳ではなくある程度予測された身体の不調だ。



 だから私は小さな頃からかなりの頻度ひんどで自身の体調について細かく検査や管理がなされている。


 別にそれが不公平だとか、嫌だと感じたことなどない。それはしっかりママとパパが私に愛情をくれているから。過保護なまでなその愛を。




 現代、3070年において人類は地球のみならず、太陽系の惑星わくせいやその衛星を開拓し太陽系全土へと進出を果たしている。


 人間の人口は爆発的に増え続け今もなお、人工的に浮かぶ宇宙の都市は増え続けていた。




 私はそんな地球に住む1人の人間と、遥か遠い、場所も分からぬ太陽系外から来た宇宙人とのハーフだ。



 パパが地球の人間。日本地区出身の至って普通の人。


 ママがガーデンプラントという星から来た宇宙人である。



 そんな2人の間に産まれた私は必然的に、生れつき体が弱いのだという。



 どうしてママは地球にやってきたのか。どうしてパパと結婚したのか。あまり多くは語ってくれない。



 ママが教えてくれたのは、ガーデンプラントは戦争中だということ。そこから逃げてきたということだけだ。


 そう語りながら、ママは悲しそうに小さな私を抱きしめ子守唄を歌いながら私はいつの間にか寝てしまう。


 いつもママは笑顔で、優しい。でもほんの少しだけ垣間かいま見える悲しそうな表情が、小さかったころの思い出の中に残っている。




 今、この家には私しかいない。パパもママも、2人とも遥か遠い宇宙を移動し、ママの故郷を探す旅に出ている。


 私はその旅に連れていってもらったことがない。私が着いていきたいと言っても、ママとパパが猛反対するのだ。私の身にもしものことがあった場合、地球にいないと治療ができないためである。



 2人はそうして私をここにおいて旅にでる。そして年に数回しか家には帰って来ない。







 寂しい…なぁ。

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