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021  リアルへの帰還



*>>ナユカ視点



《スキル・ジャンプを取得しました》



「おぉーーー!!」


 ジャンプだってやったね!しかもオーブの色は白じゃなくて青!なんかレアな予感がするよ!!



「ねぇねぇ〜ナユカ〜?スキル、なんだったの〜?」 


「んへへ〜、んっとね!ジャンプってスキルだったよ!!」



「フムフム、ジャンプ…。また私の持ってないスキルを…。でもカタカナ表示のスキルは珍しいからね〜。レアっちゃ〜レアだよ。…でもさ?」


「ん?なになに?」


 あれ?なんかユキが言いにくそうに下向いてチラチラ私を見ている…。あざとい仕草でも見せたいのか?そんなことしなくても可愛いよ?

 少し迷ったあと意を決したのか、ユキがやはり少し言いにくそうに私に疑問を投げかけた…



「ジャンプ…。てさ…?空飛べる?」


「ん?…んーーー…。 なんてこったいッ!!」






 え?空飛べないじゃん!!飛んだ後そのまま重力にしたがって落ちるよねッ!!これ!!


 レアだけど違う!!わたしが求めていたスキルじゃない!!てか、飛行系スキルのサーチをかけたのに…。ジャンプって飛行系スキルに分類していいの?確かに飛ぶけどさー?「ぶ」の間違いじゃなくて?せっかくユキと頑張ったのに…



「まあ、何とかなるよまだまだ時間あるんだし〜」


「ぐすん…」





 その後、3度サーチをするも結果はとぼしく、全て先に誰かに取られてしまったり、ナユカが取れないような場所にオーブがあったりと結局今日の収穫は〔ジャンプ〕のみという結果に終わったのだった。


「うぅ〜〜〜…。なんだろう…。呪われてる気がしてきた」


 ここまで結構頑張って走ったりバトルしてたのに結局ひとつも取ることは出来なかった。


「いやまだまだこれからだよ〜?飛行はないとバトルは圧倒的に不利になる場合が多いからね〜」


 え?まだサーチするの?私結構疲れたよ?肉体的にというかは精神的にだけど…



 …あ。



「あー、でも今日はここまでだよ?」


「え〜?なにかこの後予定でもあるの〜?」



「うん、今日は健診の日だからね。そろそろ帰らないと」


「あ〜、そっか。じゃあしょうがないね〜。明日は〜?」


 明日か…。何も無かったかな?


「うんいいよー。明日もやるんでしょ?」


「もっちろ〜ん!!」



「おーけおーけ。明日は朝からいけるけどどうする?」


 明日は特に何も用事はないからね。朝ごはんとか部屋の片付けとかもあるからそうだなぁ…


「んじゃ、10時からで!!」


「ほ〜い。んじゃログアウトするよ」


 メニューを開いて1番下にあるログアウトのボタンを押す。すると。



《ログアウトしますか?》


「うん」



《ログアウトしました。またのお越《こ》しをお待ちしております》


「それじゃあまたあした!!」


「うんまたね〜」


 そうして私の視界は徐々にブラックアウトしていき…



………


……





*




 目が覚めると私は自分のベットの上にいた。




「なんで隣にいるの?」


「そりゃ〜、ゲーム始める時一緒にいたじゃ〜ん!」



「それと私の隣で一緒に寝てるのは関係なくない?」


 何故なぜかユキが私とい寝している…。あつい…


「いやだってベット一個しかないじゃん!」


「ソファーという選択肢はないのね」



「ないよ〜ん」


 はぁ…。まあいいか…


 えーと今は5時40分…あ、そろそろ準備しないとほんとにやばいね、怒られるのも嫌だし。


「そろそろどいて」


「んも〜、もう少しいいじゃ〜ん」


 いや、服とかも1回着替えたいから時間ほんとにないんだけど?と思っていたら一応はわかってくれているのか、少しした後に普通にどけてくれた。ありがとう。


「んじゃ〜、私は邪魔するのも悪いからそろそろ帰るよ〜。明日はスタート地点、ナユカの部屋からでいいから選択画面で現在地を押してね〜」


「ホイホイ、じゃあまたねー」


 ああ、そういえば本体の体の位置か、前回ゲームをやめた位置かで選べるんだっけ?明日は私の家からね、了解。

 そう言ってユキは帰って行った。


 さてと私もとりあえず服着替えようかね。

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