「へへへへッ。じゃあ、頂きまーす。」
ルォーは、手下によって大きく股を開かせられたアキラに
ルォーの後ろに
身長180cmくらいの細身の引き締ま
った身体つき
上半身に革製の鎧。下半身には乗馬ズ
ボンとブーツで軽武装した
年齢30歳くらい
茶色くせ毛短髪
茶色の瞳
の男が立っていた。
アソゥ団の者ではない。
アソゥ団の連中にとっては謎の男だ。
その謎の男は右手にやや細身の両刃の長剣を握っていた。
その剣先がルォーの背の中央に埋まっている。
謎の男は、ルォーの背に刺した剣を引き抜くと同時にルォーの上衣の襟首を左手で
ルォーの
次にその謎の男は、アキラの足を抱えている2人の男の喉を突き、更にアキラの腕を押さえていた2人の男の胸を素早く刺した。
瞬く間に頭目のルォーを含む5人のアソゥ団の者達の命が消えた。
「てめえーっ!何者だー!!」
「よくもお頭を!!」
アソゥ団の連中が、アキラに対しては抜かなかった剣を次々に抜いて構えた。
「俺かい?俺はヘルト商会のハンデル。
闘商ハンデルとは、俺の事さ。」
と、その謎の男は名乗った。
「闘商…闘商ってぇと、通常の商売の他にモンスターや盗賊の討伐も請け負う武装商人の事か!?」
「闘商は、
「いや、闘商ハンデル…聞いたことがあるぞ。単独で討伐を請け負う闘商がいるって。そいつがハンデルって名だって。」
「ああ、オレも聞いたことがある。
ドワーフが鍛えた剣を振るって、どんな凶悪なモンスターも、強大な盗賊団も、たった一人で片付ける凄腕の…それがコイツか!?」
「そのとおり。俺がその闘商ハンデルさ。
お前らだろ?近頃この辺りで行き交う人達に大迷惑かけてるゴミ共は?
お前達を処理しに来てやったぜ!」
アソゥ団の連中は、明らかに
「ええーいっ!相手は一人だ。不意を突かれなければビビることはない!やっちまえーっ!!」
と誰かが合図すると、一斉にそのハンデルと名乗った男に襲い掛かっていった。
しかし、そこからはハンデルと名乗った男の独壇場だった。
ハンデルが剣を振るうたび、アソゥ団の団員達の
或る者は首を斬り飛ばされ、また或る者は胴を大きく
そうやって、襲い掛かってきたアソゥ団員を倒しつつ、アキラに杖の棒で打たれて倒れたいた者に対しても、丁寧にとどめを刺していった。
ハンデルの恐ろしいまでの剣の冴えに、アソゥ団は、あっという間に当初の半数以下に数を減らした。
「わ、わ、わああぁーーーっ!!」
残るアソゥ団の生き残り達は、皆、恐慌をきたした。
一斉にハンデルに対して背を向け、一目散に逃げ出そうとした。
が、ハンデルはそれを許さない。この男、剣の腕だけでなく、走るのも速い。
アソゥ団は、とうとう最後の一人となった。
最後の一人はホビットと呼ばれる種族の者だった。
森の中の湖近くにいた一団から、伝令として来て、本集団に加わっていた者で、足が速いため伝令を務めていたようだ。
見るからに戦闘力は低そうで、放っておいても、さほど害は無さそうだが、ハンデルには、そのつもりは無いようだ。
「ゆ、許してくれ!頼む!い…命だけは!」
ホビットの男は、地に両膝をつき命乞いをした。
「そうやって命乞いをする人達を何人も殺してきたんだろうが!?
お前達は、ここで俺が殺さなくても、盗賊は串刺しの刑か火あぶりにされる。
それよりも、俺に斬られる方がマシだろう?」
「くっ!」
ホビットの男は、懸命に命乞いをしていると見せかけて、手に砂を握っていた。
それをハンデルの顔を目掛けて投げつけた。目
その際に俊足を生かして逃げるつもりのようだった。砂を投げつけてから、直ぐにハンデルに背を向けて駆け出した。
しかし、後ろにいる筈のハンデルが、何故か前にいる。
ハンデルは、ホビットの男が投げつけた砂を
絶望の表情を浮かべるホビットの男の眼に、ハンデルが剣を振り下ろす姿が映った。
街道脇に、仰向けに大の字になってアキラは気を失っている。
ワンピースの
そのワンピースの
「…エルフってぇのは、何処もかしこも美しく出来てるんだな。」
そうハンデルは呟き、
「さて…と。ここに着く少し前に森の中でも騒ぎ声がしていたな。」
ハンデルは、血の
第15話(終)
※エルデカ捜査メモ⑮
元々、行商人達は行商をおこなう際、道中の危険に対処するために武装し、集団で隊列を組んで移動していたのだが、帝国においては、先帝ヨゼフィーネが各関所を撤廃し、街道を整備したことで、気軽に行商をおこなうことが出来るようになり、少人数、または単独で行商をおこなう者が増えていった。
街道を整備したといっても、やはり
「闘商」は普通、数名から多い時には数十名単位で
行商人