かかったな、バカめ!
マリアはニッチャリと邪悪に頬を歪めながら、自分の手をとり頭を下げるロミオを満足気に見下ろした。
頭を下げているから表情は
そんなロミオの表情を予想して、余計に気分がよくなるマリア。
今まで小バカにしてきた小娘に足下をすくわれたのだ。一体どれだけの屈辱がロミオを襲っているのか……考えるだけで頬が緩む。
だがまだだ。
まだ足りない。
自分がこの男に与えられた屈辱は、恥辱はこんなモンじゃない。
(ふふっ、教えてやるぞ愚物よ。どちらが『上』かをな!)
姉が帰ってくるまでの6日間、必ずこのロミオゲリオンの……いや安堂ロミオの心を踏みにじりグチャグチャにしてやる!
と、マリアの胸に暗い覚悟の炎が灯った。
ついでにあの人間嫌いの姉が唯一心を許す存在のこの男を
イギリスから帰って来たとき、自分にゾッコンなロミオゲリオン――いや安堂ロミオを前にしたとき、あの人は一体どういう顔をするのだろうか?
他人のお気に入りのオモチャを奪い取る無邪気な子どものように、マリアは1人ニンマリと笑みを深めた。
……だが彼女はまだ知らなかったのだ。
――深淵を覗くとき、深淵もまたコチラを覗いているということを。
彼女がそのコトに気づくまで、残り6日間。
果たして
こうして彼女の