突然だが我が主、ジュリエット・フォン・モンタギュー様には1つ下に妹が居る。
その名もマリア・フォン・モンタギュー。
今年から姉と同じ私立セイント女学院に通うことが決定しているピチピチの16歳だ。
そのイエローダイヤモンドの如く
トップモデルと遜色がない、いや間違えてしまいそうなスラッとした手足。
そしてこの前まで中学生だったとは思えない爆乳。
まさに俺、ロミオゲリオン――もとい安堂ロミオの理想をそのままコピー&ペーストして現実世界に特殊召喚したような女の子だ。
ジュリエット様をマニアックなドスケベ☆ロリボディーとするなら、妹のマリア様はまさに完成されたドスケベ☆えちえちボディーと言えるだろう。
事実マリア様と初めて顔を合わせた際には、あまりに理想的過ぎる彼女を前につい「俺はいつから具現化系念能力に目覚めていたんだ!?」と錯覚してしまったし、なんならあの後部屋に戻って水見式で念能力の確認を行ったくらいだ。
さて、そんな俺の好みど真ん中のドスケベボディーをしたマリア様だが、モンタギュー家の血によるモノなのか、姉と同じく多才であるらしい。
入試問題を全教科満点のトップの成績で通過したのは序の口。
入学して初めて行われたスポーツテストで、2位以下の追随を許さない高得点を連発。
さらに姉とは違いコミュニケーション能力に
まだ入学して1週間しか経っていないのに、学院の人気者の地位を確立しているくらいだ。
この間なんか、学年問わず何人もの女子生徒を引きつれた「白い巨塔」状態で街を歩いていたからね?
もう思わず「マリア教授の総回診です!」とナレーションを入れてしまう所だった。
とまぁこのように、姉のジュリエット様を1匹狼とするならば、妹のマリア様は群れのボス犬といった所だろう。
ほんと姉妹なのにこうも性格が違うのは面白い所だ。
――さて、少し話は変わるが男女同権について話そうと思う。
この世に生まれ落ちた瞬間から男も女も関係なく皆平等な権利を有している、というアレだ。
もはや世界的に当たり前のように受け入れられている男女同権。
しかし現実問題として、いくら声高らかに「男女平等」を叫んだところで、実際問題男女差別は中々なくならないのが現状だ。
例えばアレだ、更衣室でのお着替えなんかがいい例だ。
1限目が体育で、汗でベトベトになった身体を拭きながら制服に着替えようとしていた矢先、爆裂ボディーのお姉さんが突如全裸で強襲してきたシチュエーションを想像してもらいたい。
文字通り一糸まとわぬ姿で入ってきたお姉さんを前に、俺たちはどんなリアクションをするだろうか?
おそらく「も、もしかしてこのお姉さんは俺達いたいけなサクランボーイたちの貞操をひたすら狙うド痴女童貞ハンターなんじゃないのか!? ヤッベェ童卒しちまう♪」と意気揚々と接触を試みようとするだろう。
間違ってもここで悲鳴をあげたりポリスメンを呼んだりはしない。絶対にしない。
ならもし、もしもだ。
お着替え中の女の子たちを前に全裸のナイスバディなお兄さんが現れたら、一体彼女たちはどういうリアクションをするのだろうか?
その答えは今……俺の目の前にあった。
「はっ? へっ? げ、
窓ガラスをブチ破ってスタイリッシュに入室してきた全裸の俺を、マリア様の澄んだ瞳が捉える。
その手には制汗シートが握られていて、彼女の珠のように美しい肌にうっすら浮かぶ汗を吸い取っていた。
その制汗シートから視線を外すと、そこにはマリア様の
下着姿のマリア様の姿が飛び込んできた。
服の上からでも分かってはいたが……やはり彼女は素晴らしい。
スラッ! としたモデル体型でありながら、胸だけは姉と同じく突出して大きいというのがもう最高だ。
傍から見ただけで大きいと分かる乳房といい、キュッ! とくびれたウェストといい……これは軽くEを超えているのではないだろうか?
Eを超えたらもはや職業である(錯乱)。
それにしても……あぁ、やはりおっぱいは素晴らしい。
見ているだけで癒される。
それが極上の果実ならなおさらだ。
いまだ思春期を抜け出せていない少年と青年の狭間を
やはりある程度は細見であってほしい。
童貞の妄想だと笑われても仕方がないとすら思う。
それでも、やはり……それだけは譲れないのだ!
そんな演説を心の中でかましている間にも、マリア様の視線は俺の爆裂ダイナマイトボディーに釘づけだ。
「えっ? な、ナゼ下郎がここに……? し、しかも窓から……」
「来ちゃった♪」
「『来ちゃった♪』って、いや……えっ? ど、どういう? というか、な、なんで裸なんじゃ?」
「今日の下着も可愛いですねマリア様。とくにパステルブルーのブラジャーの刺繍がとてもキュートですよ♪」
「あ、ありがとぅ……?」
マリア様の視線が俺のB地区と2代目Jソウルブラザーズを行ったり来たりしている。
いまだ状況を飲みこめていないマリア様に、俺はさも全裸が最先端の流行ファッションであるかのように堂々と微笑みを浮かべてみせた。
負の感情は一瞬で他者に伝染するぞ。
全裸を恥じるな、全裸を信じろ!
さすれば道は開かれん!
『えっ? えっ? な、なんで窓から……』
『というかココ、3階……』
『いやそれ以前になんで裸の男の人が学院に……?』
『ぶ、ブラブラしてる……お股のあたりがブラブラしてるよぉ……』
『へっ? へっ? お、男の人ってあんなに大きいモノなの……!?』
目を見開き、口をパクパクさせ、その愛らしいパステルブルーのブラジャーをこれでもかと見せてくれるサービス精神旺盛のマリア様の背後で、女の子たちの会話が耳へと届く。
ふとマリア様から視線を切ると、そこには……色とりどりの宝石――違う、下着姿に身を包んだ女子生徒たちが目を見開き俺を、いや俺のビッグマグナムを凝視していた。
ふむふむ、なるほどな……。
どうやらマリア様のクラスは、1限目は体育だったらしい。
通りで教室中が甘酸っぱい良い匂いに包まれていると思った♪
「おやおや、皆さまお揃いで。お疲れ様です」
『『『『『お、お疲れさまですぅ……ぅ?』』』』』
マリア様を筆頭に、みな混乱しているのか、下着姿を隠すことなく、その10代のピチピチボディを惜しげもなく俺に提供してくれる。
俺は爽やかな挨拶をキメながら、窓にかけていた手足を教室の中へと滑りこませ、そのままみんなが見ている前で大きく背伸びをした。
どうやら上手くお嬢様方にメダパニをかけることに成功したらしい。
とりあえず一安心だな……おっ?
イエローピンクにスカイブルーのブラジャー……あっ!
アッチの
中々に攻めてくるじゃないか。
「さて、と……」
とりあえず色とりどりの女性用下着からなる万国博覧会から意識を切り替え、天井を
なんで俺、こんな所に居るんだっけ?
と一旦マリア様率いるうら若き乙女達からの視線から逃げるように、俺は意識を内面へと向けていった。
アレは確か……そうだ昨日のことだ。
現役女子校生たちの視線の暴力に