俺、安堂ロミオの朝は早い。
お日様が「おはよう!」と挨拶してくる朝の5時には目を覚ます。
基本
もちろん我が主、ジュリエット・フォン・モンタギュー様のお世話をするためだ。
俺はさっさと寝巻きとして使っている『I LOVE 令和』Tシャツを脱ぎ捨て、クローゼットにかけてある執事服へとコスチュームチェンジを果たす。
まるでプ●キュアの変身バンクのような着替えを終え、食堂へ行き、適当な朝食をいただき、身だしなみを整え、準備完了。
お嬢様の朝ごはんをメイド喫茶ばりに真心を込めてクリエイトし……いよいよ本日のメインイベント、ジュリエット様への『おはよう♪』コールへと移行していく。
俺はお盆に今日の朝食であるスクランブルエッグトーストと彼女の大好きなフルーツ牛乳を乗っけて、寝起きドッキリの要領で控えめに部屋をノックした。
もちろんジュリエット様は眠っているので返事はない。
俺はまるで初めてセクロスに挑む男子高校生のように高鳴る心臓を必死に抑えつけながら、ゆっくりとマスターの眠っているお部屋の扉を開けた。
そのままそっとお盆を机の上に置き、天蓋付きベッドへと移動する。
……そこはまさにこの世の楽園だった。
ベッドの上ではジュリエット様がお人形さんのように気持ち良さそうに眠っているのだが……もうね、凄いぞ?
彼女がパジャマとして愛用しているクマさんのTシャツなんだけどね? 悲鳴をあげてたの。
ジュリエット様ったら
その衝撃たるや、ペニシリンを発見したアレクサンダー・フレミングを軽く
その証拠に、ジュリエット様の不自然なほどに盛り上がったパイパイを必死に食い止めようとするかのようにクマさんが『ここはオレに任せて先にイケェ!?』と叫んでいる有様だ。
これだけでもう、我が主の凄まじさを肌で感じてもらえたと思う。
そんな凄まじい我が主だが、ソレに追い打ちをかけるかの如く、胸の先端のポッチが薄いTシャツを押しのけ浮いていた。
そうっ、我が主は寝る時はブラジャーを外して寝るのだ!
彼女の
コレだけで一生彼女について行こうと覚悟を決めるレベルだ。
ここで勘違いしないで欲しいんだが、俺は別にロリコンというワケではない。
そう、自分でも驚きなのだが、どうやら俺はロリ巨乳なるモノが大好きらしい。
齢18年と半年生きて来て初めて知った事実である。
案外自分の好みというモノは自分では分からないモノだ。
例えばずっと巨乳好きだと思っていた我が叔父、大神士狼さんがふとしたキッカケで貧乳好きに目覚めたりとか……ね。
ほんと男の子あるある♪
さて、コレで我が主の凄さを痛いほど分かって貰えたと思う。
が、本当にすごいのはココからだ。
俺は一度呼吸を整え、神妙な面持ちで眠りこけているジュリエット様の肩にそっと手を置いた。
「おはようございますジュリエット様。今日もカラッと晴れたいい天気ですよ」
そして世界の命運をかけたラストバトルへと
そこから先はもう、語るまでもない。
俺がジュリエット様の身体を揺らしたことで、彼女の胸に
ぷるぷるバルン♪ と徳島
途端にベッドの上で輝きだすお嬢様。
こんなシチュエーションは世界を股にかけて大冒険した
世のリア充共(現実が充実しているヤツ)はこんな高度な遊びを日々マイ☆ワイフと行っているのか。
そりゃみんなリア充に憧れるわな!
もし今仮に我が愛しの後輩ましろんか金次狼あたりから電話が来て「今、おまえ何してんの?」と問われたら、俺は迷わずこう即答するだろう。
――新世界の神になっている、と。
しかし始まりがあれば終わりもある。
ジュリエット様は寝起きがいいらしく、ものの数秒で俺のエンペラータイムが終わりを告げた。
「おはようロボくん。毎朝起こしてもらってゴメンね?」
「いえ、コレが自分の職務ですから。お嬢様はお気にならず」
ムクリッ! と布団から起き上がるジュリエット様。
正直メチャクチャ名残惜しいが、俺は覚悟を決めて彼女から半歩距離を取り、いつものように笑みを浮かべて
なぁに問題ない。
本番はココからだ。
言ってしまえば今までのは軽いジャブみたいなモノ。
ここから先が本番だ!
と内心ほくそ笑んでいたのを察知したのか、ジュリエット様がその青空のように澄んだ瞳で『ジィ~……っ』と俺を見上げてきた。
「…………」
「お、お嬢様? 自分をそんなにジロジロ観察して、どうかしましたか?」
「ううん、何でもないよ? ただ、誰かと挨拶を交わすのはいいものだなぁって思ってさ」
そうにこやかに
さすがはモンタギュー家次期当主さま、自分に向けられた卑猥な視線に敏感だ。
やっぱりまだ心のどこかで「人間じゃないのか?」と疑われているに違いない。
気を抜いたら一瞬で人間だとバレるぞ、俺!
気をつけろ!
俺が再び気合を入れ直している傍らで、ジュリエット様がその愛らしい唇でパーティーの始まりの言葉を口にした。
「さて、それじゃそろそろ着替えようかな。ロボくん、適当なスーツを取ってもらえるかな?」
「かしこまりました」と俺は崩れそうになる笑みを必死で抑えつけながら、彼女に先ほど用意したお手ふきを手渡す。
そのまま彼女がお手ふきで顔を拭いている傍ら、光の速さで部屋の隅に鎮座してあるクローゼットへと移動。
そのまま
ベッドの上、そこでは……合法ロリ巨乳によるストリップショーが開催されていた。
「うんしょ、こらっしょ、どっこらしょっと……」
鼻歌混じりに謎の言葉を口ずさみながら、グイッ! と俺の方にその上向きのお尻を突きだすようにしてホットパンツを下ろし始めるジュリエット様。
そして鞘から名刀を抜くが如く、ホットパンツから俺を誘惑するようにいやらしく照り返されたワインレッドの下着が彼女のプリプリ♪ のお尻を包むようにして姿を現した。
ふりふりと揺れるワインレッドの下着から伸びる柔らかそうな白い生足を見た途端、思わず感嘆の吐息が漏れそうになる。
我が友にして『パンスト大好きフリスキー♪』の2つ名を有する大神金次狼が見たら、一瞬で絶頂しそうな光景だ。
まったく、ショーの開幕には十分すぎる盛り上がりである。
俺のご主人様は最初から最後までクライマックスではないか。
ジュリエットお嬢様はまっすぐ立つなり、今度はクマさんがプリントアウトされたピッチピチのTシャツの裾へと手を伸ばす。
「う~ん? このシャツそろそろ小さいなぁ……新しいヤツ買わなきゃ」
と、
その瞬間、俺は日本の夜明けを見た。
お嬢様の小柄なクセにグラビアアイドル顔負けの爆裂ボディは、もはや視覚の暴力だった。
ジュリエット様は寝る時はブラジャーを着けない。それの意味することは……優秀な
俺がどのような絶景を目撃したのか、もはや言うまでもないだろうが……言わせてくれ!
彼女の細く、華奢な肩からは想像できないレベルで上向きに突き出ているソレは、重力なんて関係ねぇ! とばかりにその存在感を
そしてその先端ではやたら色素の薄い桃色の地区Bがぷっくりと可愛らしく主張していて、その……なんだ?
俺、ロボに生まれて来てよかった……ッ! と本気で泣きそうになった。
パサッ♪ とベッドの上に落ちていくTシャツの音が耳に甘い。
そんな俺の心情などもちろん知らないお嬢様は、パンツ一丁という無防備な姿のまま俺と向かい合い、俺が手にしていたパンツスーツを受け取った。
「ありがとうロボくん」
「いえ……こちらこそありがとうございます」
「???」
意味がわからない? とばかりに頭の上にクエスチョンマークを浮かべるジュリエット様。
イカンイカン、つい思わず本音がまろび出てしまった!
俺は慌てて獣の槍と化している下半身がバレないように、
ジュリエット様は一瞬だけ
そのまま流れるように俺から受け取ったパンツスーツを身に纏い始めるが……もう、凄いぞ?
お嬢様がYシャツをその身に纏った瞬間――再び彼女がベッドの上で輝き出したのだ。
Yシャツの裾がジュリエット様の桃尻を隠すものの……丈の関係からか女の子の股ぐらにあると
モロ出しもいい、最高だ。
だがあえてギリギリ見えないというエロく際どい状況にこそ、男の子はそこにロマンを感じるのだ!
そうパンチラの神髄は「パン」ではなく「チラ」なのだ!
さすがは世界に誇る大貴族の御令嬢だ。この
健全かつ盛大なエロスを提供してくれていたお嬢様のお尻が、またもや俺の方へと突きだされる。
ここで月9のイケメンも裸足で逃げ出す普段の俺だったら「おいおい、誘ってんのかぁ~?」と、そのゆらゆらと揺れるピチピチヒップ♪ をスパンキングしているところだが、今の俺はロボ、そんなマネは出来ない。
仕方がないので目に焼きつけるだけにしておく。
そして全てが着替え終わり、いつも通りのパンツスーツに身を包んだお嬢様がベッドから下りて机の上に用意した朝食の方へと移動していく。
これで今朝のゴッドタイムは終了だ。
でも大丈夫、まだ明日もあるからね!
俺は今日を生き抜く活力をお嬢様から頂きつつ、ソファに座る彼女の真横に直立不動のまま待機し、ジュリエット様が朝食を食べ終わるのを忠犬よろしく静かに待つ。
「いつもありがとうロボくん。まさかロボくんが料理まで出来たなんて驚きだよ」
「恐縮です」
「ハハッ! そんなに
そう言ってニパッ! と笑みを溢すお嬢様。
この2週間で分かったことがあるのだが、どうもお嬢様は人前に出るときと、俺と2人っきりで居るときとではスイッチみたいなモノを切り替えているらしい。
人前に出るときは、あの硬質的で氷のように冷たい雰囲気を放つ無愛想で高圧的な『鉄仮面』モードに。
逆に誰も居ないプライベードな時間は、子犬のように無邪気で好奇心の塊と化す愛らしい『わんこ』モードになる。
最初は快楽堕ちした堅物女教師のようにあまりの変化に頭がついて行かなくなりかけたが、慣れればこの変化も可愛く思えてくるもんだ。
「それにしてもロボくんの作る料理は変わっているというか、珍しいよね。今日のは……なんだい? このトーストの上にスクランブルエッグみたいなモノが乗っかっているヤツは?」
「コレはスクランブルエッグトーストです。……もしかしてお嫌いだったでしょうか?」
「ううん、珍しくてつい聞いてみただけだよ。庶民っぽくてボクは好きだよ、コレ」
しげしげと興味深そうに俺の作った朝食を観察しながら、その小さなお口でモグモグしていくジュリエット様。
こうも美味しそうに食べてくれると、作った方も嬉しいもんだ。
最初はどうなってしまうのかとヒヤヒヤしたこの生活だが、案外悪くない。
お嬢様の見た目も作用してか、ちょっと歳の離れた妹という感じで愛らしいし。
……まぁ実年齢は2歳しか離れてないんだけどね。
こうして小動物のように朝食を頬張るマスターを眺めながら、俺の新しい1日は始まっていくのだ。