「へ?」
「覚えてませんか? 今日の昼に、階段のところでこのメモを拾ってもらったのですけれど……」
取り出したメモに書かれていたのは、部長会議に参加するようにというな
「あえ、あのその、えっと」
「またお話したいと思っていたんです。色々気になることもあったので」
「ほ……!」
本当ですかー⁉ はいっ、何なりと!
そう心の中ではいくらでも答えられるのに、いざ声に出そうとすると、喉の奥で言葉が詰まってしまう。
でもサラサラくんは、そんな私を変に思うような素振りは
「待ちなさい、あなた! ワタクシのあやみんちゃんに、何をされるつもりですの? なんだか目線がえっちですわ!」
「
ひぇぇ。止めてー! サラサラくんに対して、何てことを言っているのー!
「ちょ、ちょっと二人とも、勝手なこと言わないでったら……。ほ、本当なんかすみません……」
「いいえ全然。あやみんさんは相変わらず人気者なんですね。実は男子の間で噂になっているんですよ? ……E組に、可愛い子がいるって」
「ふぁ⁉」
覗き込むように上目遣いになるサラサラくんに、思わず胸が高鳴った。髪が滑らかに流れ落ちていく様子が、何だかとても妖艶に見えた。
「あやみんちゃんったら、顔が真っ赤ですわ! 二度目の浮気は許しませんの!」
「仕方がありませんね。またお仕置きをしませんと。今回は緊縛にしましょうか」
「な……! 普段からしているみたいに言わないでってば二人とも! そ、それに、別にそんなんじゃないって言ってるじゃない。普通に褒め慣れていないだけなんだから……」
「またまた~。ね、茉鈴?」
「そうだよ。今だって美鳥の方に行っちゃった時、めっちゃへこんでたじゃん」
「ち、違うから! それに私っ、部活命だから。恋なんて絶対にしないんだからー!」
あ……。
「へぇ、そうなんですか……ふふ。なら良かった」
「え?」
サラサラくんは細めた目を、そっと開くと言った。
「だって、誰にも取られる心配がありませんからね?」