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本気でバドミントン~恋になんて現を抜かしません!
りほこ
現実世界スポーツ
2024年11月12日
公開日
37,809文字
連載中
もう二度とバドはやらない。
そう誓ってバド部がない睦月高校に入学した、一ノ瀬綾海(いちのせあやみ)だったが、登校初日からバド部の立ち上げメンバーになってしまい――?
お馬鹿で変態みのあるメンバーだけれど、みんなバドが好き!
美少女がわちゃわちゃと切磋琢磨しながら繰り広げる、青春コメディです。恋愛要素あり!

第1話 緊急招集!=ep1捨てる神あれば拾う神あり?=

綾海あやみっ。もうあんたとは、コンビ解消よ!」


 親友は私にそう言って、バドミントンコートを去って行った。


 はあ⁉ ちょっと何が部内恋愛禁止だからねー、なのよ!

 あんたでしょうが、恋に現を抜かしているのは!


 馬鹿らしくて、悔しくて、いつの間にか私は頬に情けない涙を流していた。


 中学最後の春。三年間ずっと一緒にダブルスを組んでいた親友に、私は突然捨てられた。

 理由はシンプル、且つゴミ。親友が密かに恋をしていた同じ部の男子が、私に告白をしてきたからだ。


 そりゃあ私は……そういうのに疎くて、どっちの気持ちにも気付けなかったけれど……。

 でもだからって、これまで切磋琢磨してきた、あの時間は何だったの⁉

 私たちって……仲良しコンビじゃなかったの……?


 もうっ、恋の馬鹿やろーーーー!!



「――ふぁ⁉」


 悪夢から目覚めて我に返る。自分の叫び声を聞いたと思われるクラスメイトたちの視線が集まり、私は顔を赤面させた。


「登校初日から居眠り、そして馬鹿やろう発言とは、なかなかの強メンタルをお持ちなんですね一ノ瀬綾海いちのせあやみさん?」

「あ、あなたは二葉ふたばさん⁉」


「ええそうです」と、目をすがめながら眼鏡をくい上げする彼女は、同じクラスの二葉美鳥ふたばみどりさん。

 おでこを見せるように前髪を留めたロングストレートと眼鏡。そしてEカップが特徴のようだ。

 彼女は、この睦月むつき高等学校を首席入学した子らしい。式で生徒代表を務めていたから、それで知っている。


 ん~成績トップって言っても、どうなんだろ? 睦高むつこうは偏差値が低いからなぁ。


「ねぇ。あなたは中学の時、バドミントン部だったのでしょう? どうしてこの学校に来たのですか?」

「え? ああまぁ、い、色々あって……。でも、なんで二葉さんがそれを?」

「私もバドミントン部だったからです。はぁ、私の悪い癖ですね。少し高みを目指し過ぎたようで、うっかり私もバド部がない高校へと進学いたしました」


 ……つまり志望校に落ちたのね。


 私の哀れむ目なんて気にも留めず、二葉さんは再び眼鏡をくい上げして、表情を凛と正した。

 そして私に視線を戻すと少しだけ口角を上げ、とんでもないことを言い出すのだった。


「さあ、一ノ瀬綾海さん。今から私たちで、新たにバドミントン部を立ち上げますよ?」

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