「双子だと……」
なぜなら、
そんな彼の言葉を無視して、彼女は
「初めましてだね。血縁上だと……あなたが姉ってことになるのかしら?」
「姉……何のことかさっぱりです」
「だよね。急にこんなこと言われても困るよね。でも、私の父は
DNA鑑定まで言ってくる
その
「あの男は私たちの母を捨て、アナタの母親を選んだ。まぁ、私たちが
「母は……私の母はそのことを……」
「おそらく知らないと思いますよ。そして、
「名門……」
「えぇ、
「
それと同時に、
二人は異母兄弟だったから。
愛は母親に似ておらず、本当の親子なのか心配していた。だが、彼女が父親似で美月も父親に似ているのだとしたら……二人は遺伝子レベルで似ていてもおかしくない。
そんなことを考える
「でも、私の父は優しかった。もし、その言葉が本当だったとしても、この事実は変わらない」
「そう信じたいでしょうね。でも、私が感じた事実も変わらないです。だからと言って、私はアナタを恨んだりしません。まぁ、あの男の方は恨みますが」
だが、
父と遊園地に行った。一緒に乗り物に乗ってくれたし、ボールプールでも遊んでくれた。
五歳くらいの記憶で曖昧だが、とても楽しかったのを覚えている。
それを見て母も喜んでいた。とても幸せだと言える時間だった。
お互いが譲らない価値観が
「待てよ」
静かな声で
「勝手に話を進めるなよ」
「なんですか?」
その姿が
「どうもこうもないだろ。俺は
「そうですよね……それについては、順序通りに説明しないとですね」
「私、病気なんです。おそらく、もう長くはないでしょう」
「病気は三歳の頃に発症したらしいです。そして、私はアメリカの病院に入院しました。そこで治療をして去年、日本に帰ってきたのです」
「そんな話……」
「信じられないでしょうね。でも、事実なのです。だから、
大事な家族のことを母親から聞かないと言うことはない。記憶が曖昧で、彼女自身も信じられないのだとしたら……
そんな曖昧なものをただの幼馴染に話すだろうか。
「でも!」
「仕方ありません」
まだ信じきれていない彼にとどめを刺すかのように、幼い頃一度だけ一緒に撮った家族写真をポケットから取り出して見せる。そして、
「姉のことは残念でした。母から事件を聞いて、一晩中泣きましたから」
悲しそうな表情を浮かべる彼女の姿を見て、
まだ、信じられないが、この写真を見せられたら信じざるを得ない。歯を食いしばり、現実を受け入れる。
そんな彼の方を見ながら、彼女は言葉を紡ぐ。
「これを。アナタが持っていてください」
左手の薬指からハート型の指輪を外し、
「これは?」
「姉が付けていた指輪です。アナタが持っていた方が姉も本望だと思うので……」
なぜだか
「そんなことを話すために、俺たちに話しかけてきたわけじゃないだろ?」
「えぇ、ここでは少し面倒になるので外へ」
廊下の隅の方へと移動し、
「先ほどの御三家のお話、まだ続きがあるんです」
「続き?」
「えぇ、
彼女の言葉に全員は気を引き締める。
「どういうこと」
「私が聞いた噂ですけど……」
話し始めた途端、
「大丈夫ですか?」
「えぇ、持病が悪化しただけですから」
立ち上がり、優は話の続きを紡ぐ。
「
「俗に言うヤクザとかと繋がってるってことですか?」
「うん、しかも薬物の取引もしてるみたいで……」
今の言葉で
「
「もしかしたら、美月の言っていた
陽奈も薬物をやらされていたとしたら……自分たちの前から姿を消した原因がそこにもあるのだとしたら……
あの
「じゃあ、順番だから。私たちの演奏を見ていて」
そう言って、
その時の
少し歩いたところで、
「話せてよかった」
そう言い残し、メンバーと共にステージへと向かって行った。
スタープロジェクトのステージに立った
「姉ちゃん、見えてる。やっと、やっと立てたよ」
感涙する
服の袖で涙を拭き取り、
「見ていて姉ちゃん」
亡き姉に捧げるために、過去の病を乗り越え、