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BIGBANG〜伝説までの道〜
新田光
現実世界現代ドラマ
2024年11月12日
公開日
47,135文字
連載中
中学ピアノコンクール優勝経歴を持つ天才音楽少女、宇崎美月。
彼女はある日テレビで見たバンド──OCEAN(オーシャン)に憧れを抱き、バンドマンの道を突き進む事を決意する。
次の日から早速、バンド設立を目標に掲げ、ネットで募集するも「知らない奴とバンドなんてありえない」「俺、可愛い子なら一緒にやってもいいよ。まぁ、アニメに感化されたキモオタだと思うけど」など、たくさんの罵倒を受ける。
そんな日常を1年以上続け、やっとの事でバンドメンバーが1人集まる。それは、1学年下の男子──銀河翔兎という少年だった。
しかし、彼は美月を性的な目的でしか見ておらず、音楽に全く興味のない人だった。

序章 BIGBANG

「最後の曲は『朧げな月、儚く美しく』だ! いくぜ!」


『おぉぉぉぉぉー』


 BIGBANG。今や伝説と呼ばれているバンドマン。彼らが奏でるデビュー曲はこの会場にいる者たち全員のボルテージを上げる。


 イントロの儚げな音。それが数秒続いた後、激しいロック調の音が微かに混ざる。


 この緻密で卓越された音楽を奏でているのは、三人。


 ドラムの神門春樹じんもんはるき


 ベースの神谷健斗かみやけんと


 ギターの榊柚葉さかきゆずは


 そして、その演奏に合わせ、最高の歌声を届けるのは銀河翔兎ぎんがしょうとだ。


 声の高さは中性的。しかし、男らしいたくましく、程よい低さが聴く者に心地良さを与える。


 かつてこの歌声を誉めてくれた人がいる。翔兎しょうとを音楽の道に導いてくれ、音楽の素晴らしさを説いてくれた、かけがえのない存在。恩人と呼べる存在。


 今、自分は彼女に恥じない演奏をできているだろうか。


 彼女は笑ったりしないだろうか。


 この歌を奏でていると、彼女の事を思い出す。そう、彼女と出会ったあの日を。


 俺達の伝説への道が始まったあの日を……


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