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転生の要望
ドウカイ
文芸・その他ショートショート
2024年11月10日
公開日
1,422文字
連載中
ピンポンパンポーン!
いきなりですが、あなたはお亡くなりになりました。
大変申し訳ない、私のミスです。代わりといっては何ですが、あなたを転生させて差し上げます。はい、それはもう、あなた様のご要望は最大限叶えさせていただきます。さて、何を望まれますか?

第1話

ピンポンパンポーン!

いきなりですが、あなたはお亡くなりになりました。


なんで?とお思いでしょう。結果から言うと心臓発作による心停止が原因です。ああ、疑問はもっとも、わたくしが誰か?ですよね。わたくし、あなたの担当をしております悪魔でございます。え、そこは普通天使じゃないかって?いやいや、それは現世での創作物では、死んだら天使が魂を天国に運ぶなんて言われてますけどね、実際は閻魔様の裁きを受けて、その結果で天国地獄を振り分けるわけです。天使の仕事はそこから天国に運ぶこと。閻魔様の元に運んだりなどのその他の雑用は基本的に悪魔がやってるんですね~、ハイ。


じゃあおわたくしが閻魔様の所に案内してくれるのかですって?そうしたいのは山々なんですが、実はあなたの死亡時期にはミスがありまして、ハイ。つまり、本当はもう少し長く生きれるはずだったのですが、こちらのミスで早くに死んでしまったと言うわけなのですよ。嫌、お怒りはごもっとも。本当に申し訳ない。なので、帳尻を合わせるために本来生きられるはずだった寿命分、現世で生活できるようにして進ぜようと考えている次第でして...。


はい、それはもう、あなた様のご要望は最大限叶えさせていただきます。え、何?悪魔に願いをかなえてもらうだなんて気が引けるですって?かー!これだから、現世帰りはいけませんねぇ。いいですか、現世の創作物では悪魔=悪と思われてますけれど、あれ嫌な役割を私たち悪魔が引き受けてるだけですから。誰かがやらないといけない仕事なんですよ。お判りいただけますか?はい、いえ、私もつい熱くなってしまいました。ええ、分かっていただければそれでいいんです。


それで、何を望みますか?ん、元の体に戻って残りの寿命を過ごしたい、ですか。申し訳ありませんが、それはオススメはしません、ハイ。もうあなた様の身体は火葬が済んでしまっておりまして。今からそこに復活するとなると、骨として過ごすことになってしまいます。ええ、できないことはありません。でも、お墓の中に入れてある骨っていうのは朽ちるのはかなり時間がかかるりますので、あなたも私も大変ですよ?辞めておくのが賢明だと思います。


お、要望が決まりましたか。はいはい、伺いますよ。何々?賢い頭脳をもって生まれたい、ですか?生前はバカバカとバカにされ続けてきたからだったから今度はそうなりたくない?なるほど。ええ、可能ですよ。というか、それだけでいいんですか、もっと要望をかなえることできますよ?ほうほう、見た目はスタイリッシュで、視力もよくて、何でも覚えられて、みんなから頼りにされたい?ぜーんぶ可能ですよ。はい、はい、ええ、本当です。じゃあ、その条件であなたを転生させますね。では、よい現世ライフをお送りくださいね~。


「ねえねえ、山田君、マジかっこいいよね。」

「本当にね~。頭もよくてスタイルもいいしね~」

「ほんと、勉強も運動もばっちりだもんね。」

「ただ、勉強のし過ぎで視力は悪いけど、眼鏡姿も似合ってるよね~」

「ねえねえ、こっそりスマホで写真、とっちゃおうか。」

「えー、やめときなよ〜。ん、というか、スマホ新しくしたんだ~」

「最新型よ。いいでしょ。」

「いいなぁ~。そのスマホ、見た目超スタイリッシュじゃん~」

「でしょ。このスマホ、望遠カメラの性能もめっちゃいいし、検索すれば何でも分かるし、高性能CPUのおかげで処理も早いし、容量もすごくあって、本当に頼りになるの!」

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