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Love too late:大切なぬくもり3

「らしくないぞ周防。おまえもっと、ガッツのあるヤツだったろ」

「しょうがないでしょ。恋は誰だって、臆病になるものだよ」


 苦笑いして言うと、桃瀬が振りかぶって俺の背中を叩いた。


「いたっ!」

「なんのための親友なんだよ俺は! おまえが病気の俺を助けてくれたように、俺だっておまえを助けたいんだ!」

「桃瀬……」


 そんな俺たちのやり取りを、ふわりとほほ笑みながら見てる涼一くんの視線が、何気に照れくさく感じる。


「あのね、太郎くんのこと、わかる範囲でいいから、詳しく教えてほしいです」


 言いながらスマホを取り出し、メモの準備をする姿に、俺は眉根を寄せた。


「もしかして、捜してくれようとしてる? だけど本当に、アイツの情報がないんだ」


 手がかりになりそうなものなんて考えても、ほとんど無いに等しい。


「この若さで死にそうな病気って、すごく手がかりになりそうな気がするんですけど、教えてもらっちゃダメでしょうか?」


 ――確かにそうだ。甲状腺癌はあまり男性がかかることのない病気だし、手がかりになるといったら、そうなのだけれど。


「まあ……俺から教えてあげてもいいけど。それを知ったところで、個人情報になるからね。簡単に、他所の病院が教えるワケ、ないと思うよ」

「とある人に頼んで、調べてもらったら、きっと全部調べつくして教えてくれると思うんです」


 にっこり笑って、涼一くんは桃瀬の袖をグイグイ引っ張ると、うへぇとあからさまに顔を歪めて、すっごくイヤそうな表情を浮かべた。


「あー、アイツに頼むのか。それは間違いなく、捜し当てるだろうな」

「僕らの知り合いに、捜すのが上手な人がいるんです。だから教えてください」

「でも……」


 やはり言い淀んでしまう。


「郁也さんも僕も周防さんの恋を、手遅れなんかにしたくないって思っているんです」


 涼一くんの言葉に、桃瀬はそうだと言いながら、首を縦に振って同意する。


「それじゃあ臆病な周防に、追いかける理由を俺からつけてやるよ」

「なにそれ?」

「太郎は、おまえの患者だったんだ。その後、病気がどうなったのか。医者として知りたくないか?」

「確かに、気になるけど」

「それなら確認するために、太郎を追いかけたことにすればいい。あとはお互い想い合っていれば、なるようになるんだよな?」


 なぜか俺に言わず、涼一くんに向かって言うと、それに答えるように、彼は桃瀬に体当たりして、そうだねと嬉しそうに答える。


「そういうことだ。太郎の居場所がわかったら、どうなっているのか、ちゃんと確認しに行けよな」

「僕らも太郎くんのことが心配ですから、病気のこと教えてください」


 ふたりの思いやりに胸を打たれて、今まであったことと病気のことを、思いきって打ち明ける。

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