「こちら一班。目標、『
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「よし、では事後処理に入れ」
一班からの報告を聞いた俺はそう指示した。
「一班、了解」
俺は通信を切った。
「このまま一班は事後処理に移る。教室の出入り口を封鎖しろ。二班、三班は外の封鎖と誘導だ」
「二班、了解」
「三班、了解」
俺の通信は切ったが、各班の通信は以前として薄暗い会議室のような部屋に響いていた。
前には大きなスクリーンがあり、各隊員ごとの映像や建物の地図、配置図などで区切られて表示されている。
それらを見守っているのは大臣とその大臣派の数人の有力者、そして俺と僅かな職員だけだ。
「さすが、
八雲の死亡の報告を聞いていた大臣が俺に向かって言った。
「ありがとうございます。大臣」
「これで晴れて、君もこちら側の人間だ。君が望んだポストは私が約束しよう」
大臣は満足そうに言った。
ここにいる連中は全員「権力」という糞に群がるハエだ。
俺も含めてな。
なんなら、八雲なんかよりも我々の方が国家を蝕む悪人だ。
「よろしくお願いします」
「君も悪い顔になってきたな」
大臣が下品な笑みを浮かべて言った。
「いえ、これは生まれつきです」
「あぁ、それもそうだったな。君は最初から悪い顔をしていた」
大臣派の有力者も大臣と同じように下品な笑みを浮かべた。
「それにしても君が組織した……え〜『六七部隊』だったかな? あれはなかなかに使えるな」
「はい。隊員全員が元警視庁特殊部隊の中でも精鋭中の精鋭で構成されています。こういった任務に対応できるように組織しました」
「なるほど。これは今後も使う機会が多くありそうだ。この騒動の全ての元凶である八雲をこうも簡単に処理してくれたんだからな」
大臣は椅子の肘掛けにおいていた人差し指でトントンと叩いた。
「いくら
「佐伽羅君も言うようになったね。とはいえ、マイグレーターについてはまだまだ分からんことが多い。いつかは生け捕りにして保護する方法を確立せねばな」
大臣の言う通り、マイグレーターについては未だに多くのことが未知数だ。
奴らは突如として、この日本に現れた。
いや、日本にだけ現れた。
マイグレーターの存在は国民は勿論のことアメリカを含め世界のどこの国も知らない、日本政府の極限られた人間のみが知っているトップシークレットだ。
マイグレーターについて分かっているのは他者の体に入れ替わることと他者の意識を消滅させて脳死にすることだけだ。
現状、マイグレーターを確保しようとすればすぐさま他者の体に入れ替わったり、乗り移られて逃亡される。
そのため、マイグレーターへの対処法としては不意を突いての殺処分しか今のところ存在しない。
確保する術がないのなら仕方がないというのが政府の判断だ。
「その前に我々が根絶やしにする方が早いのではないでしょうか?」
「それならそれで大いに結構。だが、欲を言えばマイグレーターという存在はこ――」
大臣がそこまで言った時、薄暗い部屋にスクリーンのスピーカーを通して再び銃声の音が響いた。