食堂は、静寂に包まれていた。
皆が神妙な面持ちで、食事を摂っている。
(流石に、カタストロイ本体との戦い前に派手に騒ぐなんて真似、できやしねぇってことですか)
「アイク、席はシャオが取りに行ってしまったから、先に食事を取りに行ってきてくれるか?」
ロディに声をかけられたアイクは、静かに頷く。それを確認すると、ロディはシャオのいる方へと向かって行った。
(ロディ中尉は、どう思っているんですかね~? あの人も、分からん人ですよ。まったく)
半ば諦めつつ、アイクは食事を取りにカウンターへ向かう。この基地特製のお任せバーガーをトレイに乗せる。そうして、シャオが取った右端から三番目の席に着くと、シャオが既にバーガーにかぶり付いていた。
「アイク、任せた」
一言告げると、ロディがカウンターへと向かって行く。その背中を見つめながら、アイクは特製バーガーに視線をやる。
どでかいハンバーグが二枚に、チーズとパイナップル、そして、レタスにオリジナルソースがかかっている。ユーリと一緒に、日本のハンバーガー店に行ったときのサイズの小ささに驚いた事を思い出して、やはりバーガーはこのサイズだと再認識して、口に運ぶ。
(なかなか、美味いじゃないですか)
シャオの方へ視線を向ければ、彼は満足そうな顔でバーガーを頬張っていた。見た目に反して、幼子のように、口元が汚れているのが、アイクの心をまた揺らす。
――彼は本当に、戦場にいるべきなのか。
そんな想いを封じるかのように、アイクはバーガーに集中するのだった。
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食事を終えた三人は、ゴミをゴミ箱に捨て、トレイ置き場にトレイを返して食堂から出た。少しの休憩を挟んでから、ミーティングがあるのだ。
一度専用ルームに戻ると、それぞれの端末に送られて来ていた資料に目を通す。
目新しい情報はほぼなかったが、一つだけ気になる事が記載されていた。
(
今まで、カタストロイ本体が出て来た後は、大抵
だが、今回はそのケースに当てはまらない。
それが不気味で、かつ不愉快でもあった。
(何が起ころうとしているんですかね? いずれにせよ、倒すだけですが)
どうしても拭えない違和感を覚えつつも、戦いに備えて少しでも体力を温存する。いくら機体に乗り慣れているとはいえ、負荷がかかる事に変わりはないからだ。
三人と