ハワイ諸島、某所。
トロイメライ戦隊特別基地内にて。
ミーティングルームでは、この基地を任されている司令と副司令が揃ってロディ達の到着を待っていた。
「待ちわびていた。素早い対応、感謝する。私がこの基地を任されているジュディス・リトルトン、隣が副司令ガイ・ウィンチカムだ。よろしく頼む」
「こちらこそです、司令。トロイメライ戦隊副隊長、ブローディア・フォン・エルフシュタイン中尉です。右側にいるのがシャオジェン・レェリャン曹長、左側にいるのがアイザック・アーヴァイン准尉です」
「資料で把握してはいるが、やはり実際に会うのとでは違うからな。うむ」
「そうですな、ジュディス司令。若い者達にこんな責務を負わせるのは、心苦しいですな~」
ジュディスは四十代半ばの女性で、綺麗な茶髪のセミロングと鋭い碧眼が印象的、ガイは五十代くらいの男性で、白髪かつやや猫背で細目な穏やかそうな印象だ。だが、二人共歴戦の猛者である事が、風格からして伝わって来る。
そんな二人とロディのやり取りを見つめながら、アイクは大人しく窓辺に視線をやる。
――相変わらず、霧が濃い。
ハワイ諸島の住人達は、地下シェルターに居るとの話だ。また、観光含めた渡航を全面禁止とし、空港も封鎖。
特別基地内も地下に存在している。
活火山のあるハワイ諸島において、地下シェルターも地下基地も造るのにかなり大変だったらしい。生憎、アイクは土地に詳しくないので、詳細は理解していないが。
(まぁ、先輩じゃあないですが……やる事をやるだけですね~)
「今回、目撃されたカタストロイについてのデータを渡す。ただ、分かっているであろうがあまり有益なものではない」
「少しでもあれば、助かります。ジュディス司令」
こうして、簡単な顔合わせとミーティングは終わった。ほぼジュディスとロディだけの会話であったが。
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ミーテイングルームを出ると、基地内の職員であろう若い女性が立っていた。薄い緑色の髪をロングにした、可愛らしい顔つきの彼女が敬礼をしてロディに声をかけた。
「ブローディア・フォン・エルフシュタイン中尉、アイザック・アーヴァイン准尉、シャオジェン・レェリャン曹長。初めまして、フローレンス・ハーコートと申します。階級は曹長。この基地内ではオペレーションを担当しております」
「感謝する。私がブローディア、ロディで構わない。フローレンス曹長」
「でしたら、私もフローで構いません。ロディ中尉。では、お三方を専用ルームにご案内致します」
フローの案内で、基地内を進んで行く。地下とは言え、ある程度整備された中で、アイクは思う。
(ハワイのちゃんとした景色を、拝めると良いんですがね?)