数ヶ月後。
トロイメライ戦隊母艦、ヴェルト・アル=ズィーゲリン。
銀色基調に白のカラーラインが入った宇宙空母。
その艦内、ミーティングルームにトロイメライ戦隊隊員達が揃っていた。
ハリストフォル・ハクルート大尉。
ブローディア・フォン・エルフシュタイン中尉。
ユリシーズ・バーレイ准尉。
アイザック・アーヴァイン准尉。
シャオジェン・レェリャン曹長。
デューイ・ベイリアル少尉。
ハナ・トキワ少尉。
――彼ら七人が、構成員である。
そして……
「皆揃うのは久しいな。
「それ故の召集ですね? ヴァルター司令」
ハリスが代表して尋ねれば、トロイメライ戦隊司令、ヴァルター・ツー・リヒトブルクが静かに頷く。白髪交じりの黒髪をオールバックにして、司令服を着た彼の青い瞳は、憂いに満ちていた。
カタストロイの被害が増えている現状に対しての憂いだ。
「ヴァルター、そして戦隊員達よ。この人数だけで対応するのは、かなりキツイ状況であろう事は理解しておる」
口を開いたのは、総括であるコズモ・ブルーノ大将だ。綺麗な白髪を短く切りそろえ、口ひげを蓄えた初老の男性。威厳ある立ち振る舞いが、歴戦の兵士である事を物語っていた。
そんな彼もまた、この状況に危機感を覚えている様子だ。
そこへ言及をしたのは。
「だからこその、ボク達全員集まってのミーティングさぁ!」
白衣を着崩し、黒のよれよれのインナーに青いジーンズ姿の青年、レイン・エンジェルだ。トロイメライシリーズ開発者兼責任者である彼こそが、今回のミーティングの要だ。
その傍に、メイド服を着た豊満なボディの美女、ピンクブロンドのウェーブかかった腰までの髪に金色の瞳をした……エッダがいる。
「全員集合したのは、久しぶりですからね。それ程……という事なのでしょう?」
「その通りさ、ハリス! ボクの読みがなくても、皆感じている事だろうけれど……これから被害は更に広がるよ?」
その場のレイン以外の全員が沈黙する。実態として、
この事態に、対応すべくレインが提案する。
「M.E.量産型は既に出来ているよ! だから、各国の軍隊に配備させる。それが、今出来うる事だろうねぇ?」
――トロイメライ戦隊のデータを基にした、量産型M.E.の配備。基本操作のマニュアル及びOSの設定も既に済んでいる。
だから、トロイメライ戦隊は……
その決断がいよいよ下されたのだ――