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第18話 トロイメライ戦隊ミーティングにて

 数ヶ月後。

 トロイメライ戦隊母艦、ヴェルト・アル=ズィーゲリン。

 銀色基調に白のカラーラインが入った宇宙空母。

 その艦内、ミーティングルームにトロイメライ戦隊隊員達が揃っていた。


 ハリストフォル・ハクルート大尉。

 ブローディア・フォン・エルフシュタイン中尉。

 ユリシーズ・バーレイ准尉。

 アイザック・アーヴァイン准尉。

 シャオジェン・レェリャン曹長。

 デューイ・ベイリアル少尉。

 ハナ・トキワ少尉。


 ――彼ら七人が、構成員である。

 そして……


「皆揃うのは久しいな。疑似怪獣ハイ・カタストロイだけでも増えてきている中、カタストロイによる被害がまた出て来た」


「それ故の召集ですね? ヴァルター司令」


 ハリスが代表して尋ねれば、トロイメライ戦隊司令、ヴァルター・ツー・リヒトブルクが静かに頷く。白髪交じりの黒髪をオールバックにして、司令服を着た彼の青い瞳は、憂いに満ちていた。

 カタストロイの被害が増えている現状に対しての憂いだ。


「ヴァルター、そして戦隊員達よ。この人数だけで対応するのは、かなりキツイ状況であろう事は理解しておる」


 口を開いたのは、総括であるコズモ・ブルーノ大将だ。綺麗な白髪を短く切りそろえ、口ひげを蓄えた初老の男性。威厳ある立ち振る舞いが、歴戦の兵士である事を物語っていた。

 そんな彼もまた、この状況に危機感を覚えている様子だ。

 そこへ言及をしたのは。


「だからこその、ボク達全員集まってのミーティングさぁ!」


 白衣を着崩し、黒のよれよれのインナーに青いジーンズ姿の青年、レイン・エンジェルだ。トロイメライシリーズ開発者兼責任者である彼こそが、今回のミーティングの要だ。

 その傍に、メイド服を着た豊満なボディの美女、ピンクブロンドのウェーブかかった腰までの髪に金色の瞳をした……エッダがいる。


「全員集合したのは、久しぶりですからね。それ程……という事なのでしょう?」


「その通りさ、ハリス! ボクの読みがなくても、皆感じている事だろうけれど……これから被害は更に広がるよ?」


 その場のレイン以外の全員が沈黙する。実態として、疑似怪獣ハイ・カタストロイだけで既に伝播が広がっている。その上、最近大人しかったカタストロイが動き出した……いや、正確には暴れ出したのだ。

 この事態に、対応すべくレインが提案する。


「M.E.量産型は既に出来ているよ! だから、各国の軍隊に配備させる。それが、今出来うる事だろうねぇ?」


 ――トロイメライ戦隊のデータを基にした、量産型M.E.の配備。基本操作のマニュアル及びOSの設定も既に済んでいる。

 だから、トロイメライ戦隊は……大災害の悪魔カタストローフェ・トイフェルに集中する。

 その決断がいよいよ下されたのだ――

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