「さて、彼女達はどういう
それに気づいたらしく、グシオンが二対の口から同時に光線を放った。ハリスはギリギリでかわしながら近づいて行く。
「
エヴァンゲリウムが
だが……
『ダメです、隊長!
「そうですね、デューイ少尉。ハナ少尉、あの
『りょ、了解です隊長! 解析してみます!』
「お願いします。デューイ少尉は引き続き、援護を頼みます」
『承知です!』
会話している最中も、グシオンからの攻撃は止まない。二対の口から、ランダムで放たれる光線をかわしながら、二機は動く。
ハナが解析している間の時間稼ぎも含めて、デューイとハリスは連携で動いて相手をかく乱させる。
その時だった。
『は、ハリス隊長! 伝播を
ハナの緊張感に包まれた声が響く。ハリスは思考を瞬時に巡らせる。
(困りましたね……グシオンだけでも厄介だというのに、他の者達も変異しているとなると……)
そうしている間にも、変異した小さい
『隊長! コイツはやべぇぜ!? 基地にいたほとんどがって事ですよね、これ!?』
デューイの焦った声に、ハリスはなるべく冷静な声で返す。そうしなければ士気に影響するからだ。
「落ち着きましょう?
もっとも、その元に戻す方法は確立されていないのだが……それでも手を打たないよりはマシだと判断したハリスは通信をかける。宛先はレインだ。
「聴こえていましたね、レイン?」
『あぁ、勿論だとも! ボクだからね!』
自信に満ちた若い男性の声が響く。レインはこの状況だというのに、愉しげだ。普通なら咎める所だが、ハリスは気にせず話を続ける。
「貴方の事です。何か手を用意しているでしょう? いますぐそれをお願いします」
『流石はハリスだねー! ボクを良く理解している! それじゃあ近くに
あっさりと解決策を出すレインに、デューイとハナの驚く声が響くが気にせずハリスは、手札が来るのを待つのだった――