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白ふくろうのチャーム②

 宗一郎は美由紀から手渡された写真を片手に、同僚たちと向き合った。香流甘の捜索には仕事仲間も手伝ってくれることになっている。

「この子を見付けてくれないか。なんでも、おかしな宗教に嵌まっているらしいんだ。この子の母親が探していてな」

そう言って、宗一郎はメモ用紙を取り出した。

「身長は百六十センチ、普通体形、年齢は十九歳。髪は栗色。いつも使用しているバッグはクリーム色のポシェット。ポシェットというのは、メロンパンが一個入るくらいの小さなバッグのことみたいだ。それを肩に掛けている。たまにこの街で目撃されているが、どこに住んでいるのかまでは分からない。車は持っておらず、電車での移動が主だ。掃除の仕事をしながらになるけど、よろしく頼むよ。ああ、それからこんな感じの女の子だ」

 そう言って、宗一郎は焼き増ししておいた写真をみんなに配った。乗降客の多さから骨の折れる作業になるのは必須だ。しかし仕事仲間たちは嫌な顔一つせずに協力すると言ってくれた。心優しい人たちだ。

 それから約二週間後、それらしい人がいると仕事仲間から連絡が入った。宗一郎は急いで仲間の元に駆け付け、女性の目と鼻の先にまで近づいて確認した。掃除のおじさんを怪しむ人はいない。写真は穴が開くほど眺めてある。間違いない。この人が香流甘だ。栗色の髪とクリーム色のポシェットが功を奏したとはいえ、やや期日を要してしまった。

 以前も「似た人がいる」と仕事仲間から連絡が入ったことがあった。その時は人混みに香流甘が紛れ込んでしまい、途中で見失っている。確か、あの日も今日と同じ曜日、同じ時間だった。

「もしかすると毎週、水曜日の十一時に特定の場所に出かけているのかもしれんな」

 宗一郎は美由紀に電話で伝えた。

 美由紀から「どこに向かっているのか」と聞かれたが、なんせ仕事中だ。さすがに駅から離れた場所まで追跡することはできない。分かったのは降車駅までだ。だが、それだけ分かれば十分だろう。

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