こうして
そして、庭園の中を静かに流れる川の音色。そこから聴こえてくる優しい響きは、疲れた心と体を癒してくれた。そんな美しい自然に触れながら、待ち合わせの場所にたどり着いた二人。ところが、やはり
「ほら、だから言ったじゃないですか、まだ来ていないって」
「いいんだって、俺はゆっくりと
恥ずかしげもなく話す
そんな
「――あら? やっぱり、もう来ていたのね」
「そうなんですよ、ゆっくりでいいって言ったのに。僕のいうことなんて、聞こうとしないんですから」
いつも状況は同じと分かっていたはず。なのに、理解なく繰り返す姿に、困り果てた面持ちで内容を話す
「ふふっ。
「そんな事いいから、早く食べようぜ!」
風呂敷から弁当箱を取り出す姿を、待ち遠しく見つめる
「――もう、汚いわね。そんなに慌てなくてもいいから、少し落ち着いてちょうだい」
「そうですよ。それだと、まるで犬じゃないですか。まあ、待ては出来てるみたいですけど」
「そうよ、
「分かってるって」
「ほんとに分かっているの?」
「それよりも早く早く」
並べられた弁当から伝わる
「――あっ、それは
「いいんですよ、
「んっ、なにが?」
「いえね、僕達の弁当まで作ってもらって、本当にいいのかと」
「あぁ、弁当のことね、それなら気にしなくてもいいわよ。私はね、二人が美味しそうに食べてくれるだけで幸せなの、だから遠慮は不要よ」
「ですが……」
僧院での生活は厳しく、身の回りのことは全て自身で行う事が規則。ゆえに、食材は提供されるも、調理は各自で行わなければならない。そのためか、料理が苦手な
そうでなくても食生活が不規則な