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恐怖の着替え人形 〜金属チェーンの謎〜
毎日楽々
現実世界現代ドラマ
2024年11月08日
公開日
811文字
完結
超お気楽人間の海斗は、彼女と食事をし、帰りの電車に乗り込んだが。。。

恐怖の着替え人形 〜金属チェーンの謎〜

 「あ〜、楽しかったな~」

 超お気楽人間の海斗は今日もご機嫌。彼女と食事をし、ルンルン気分で帰りの電車に乗りこんだ。

 社会人になってちょうど1年。仕事にも慣れ、何もかも順風満帆。「オレって完ぺきやな」


 電車の中で、「あれ、ちょっと太ったかな?」

 何かスーツが窮屈な気がしたものの、「沢山食べて飲んだから、そんなもんやな」

 電車の窓のガラスに映る自分の姿を見て、「かっこええな。まるでモデルさんみたいや」


 電車に揺られて小一時間、ひとり暮らしのマンションに到着。さて戸を開けようとするが、なんと鍵が合わない。

 「???」

 慌ててポケットを探ると、知らない人の名刺がある。

 「あれれ?」

 「誰かのスーツと間違えたんや!」

 「がーん!」

 一気に酔いが覚める。

 店でスーツの上着をハンガーに掛け、背中のフックに吊るしたのを思い出す。

 「取り敢えず、電話や、電話。あらら、スマホも上着のポケットや!どーしょっ!」とますます混乱。

 「もうこうなったら、店に戻るしかない!」


 全速力で駅に戻って、電車に飛び乗る。店の最寄りの駅に到着。走ろうとするが普段の運動不足で、もはやヘロヘロ。


 なんとか店に着くと、男の人と店の人が、必死に上着を探している。

 「これは、まずい」とさすがにビビる海斗。

 「すいません!すいません!僕が上着を間違えました!」と平謝り。

 店の人は「帰って来ていただいて、良かったです。ホットしました」

 男の人は、ムッとしながら「俺は服さえ返ってくれば、それで良いねんけどな」

 そのとき、トイレから出てきた女性がのんびりとした声で「スーツ、見つかった~?」

 「ちょうど帰るとこやったんやな。良かった〜。ラッキー」とちょっとホッとする海斗。


 そんなこんなで、今回は何とかなったものの

 「もう、こんなことは懲り懲りや」


 それからである。海斗が鍵を付けた金属チェーンをズボンのベルトに巻き、持ち運ぶようになったのは。

 やれやれ、鍵があって戸が開いたところで、どうにもならなかったけど。

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