人間。特に人間のメスというものは
クネクネとした歩き方からピカピカとした爪、それに黒く、時には赤く
しかしながら、子が親を真似るように『
吾輩と同居している人間の若いメスは、より一層
ある寒い日の事、吾輩はキャリーバッグに入れられて薬品くさい場所に連れてこられた。
「1日の入院で済むんだって。終わったら迎えにくるからね」
人間のメスはそう言ったが、
なんだか不安になってにゃーにゃーと抗議するも、「いしゃ」という人間に
こうなっては眠るしかない。
目が覚めると、何やら全身が少し
吾輩はいつものようにゆっくりと
手、顔、腕、腹、
そこで、違和感に気がついた。
在るべき所にあるものがない!
驚いたことに、ふぐりが無くなっているのだ!! (※『ふぐり』とは金玉のことである)
どういう事だ……!? 吾輩のあのプリプリふわふわしたふぐりは
「ごめんねタマ。迎えに来たよー! がんばったねぇ」
猫撫で声で言う人間のメス。
しかしその両耳には恐るべきモノがぶら下がっていた。
吾輩のふぐりである。
思わず手を伸ばす。
「あはは。ファー付きイヤリング、揺れるからやっぱり気になるんだね。でもこれはオモチャじゃないから、触ったらダメだよ〜。でも、手術後なのに元気そうで良かった」
恐ろしい。なんて恐ろしい生き物だ。
吾らの
家についてから暫くはベットの下やソファーの下など、ならべく人間のメスの手の届かない所に居るようにしていた。
これ以上何か
『てれびじょん』で見たが、最近は猫耳も流行っているらしい。こわや。こわや。
「タマったら、いいかげんにご機嫌直してよぅ」
何を言うか。ふぐりを盗っておいて。
もう二度と信用しないぞ。
……だがしかし、それはそれとしてベットの下は寒い。
猫にとって人間は
そろりそろりと人間のメスの
毛のないすべすべとした温かい
「タマったら。お腹を出して寝て〜。まるで人間みたいね」