「ポルックス。昨日は大丈夫だった。
レイって名前の男が連れ帰ったみたいだけど、何かされなかった」
今日も清掃のバイトがあり、レイブンには止められたけれど、拒絶してポルックスは来ていた。坂峰東和に謝罪はしなくてはと思ったからだ。レイブンと紫水といたら何故か嫌な気持ちになってしまう自分がいた。
「大丈夫でした。ご迷惑をかけてすみません」
「どうゆう関係?友人には見えなかったけど。
恋人関係ではないよね?」
「レイとはそんな関係じゃない。ただの知り合いで。助けられただけで、恩があって。レイとはどんな関係なんだろう」
「俺に聞かれても分からないかな。かわいいなぁ」
「何か言った。先輩」
何故かポルックスが先輩と呼んだら坂峰東和は、変な顔をした。呼び方がまずかった。昨日も先輩と呼んだ。人間は分からない。
「先輩ってやめない。東和。呼んで」
いきなり距離を詰められ、ポルックスは動揺した。苗字かフルネームどちらかの呼び方を想定していたのにまさか、名前呼びを強要するされるとは思わなかった。宝石を盗むための情報が掴めるかもしれない。名前呼びをして少しでも親しくなる。レイブンに褒めてもらえるかもしれない。頼りにしてもらえるかもしれない。分かったとポルックスは提案に同意した。