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第8話

 話を聞いた全員が1ジグルをもらえる美味しいバイトだとジンとギーシュに話してくれた。


 「俺。騎士辞めるか」


 「何を言ってるのジン先輩。辞めたらおれが団長やらないといけないじゃないですか。嫌ですよ」


ジンも言ってみただけで、本当に辞める気はない。給仕も気になるが招かれている貴族客の方も気になっていた。このパーティーに参加する前に参加者の事も、全て一通り調べた。病院に入院していたお嬢様は、家族に長年毒を盛られたせいで、身体が弱り、この病院に入院させられ命を落とした。お嬢様の家族や親戚、兄妹までパーティーに招かれている。毒を盛られた話は、働いていた従業員に聞いた話で証拠は何もない。彼らが普通にこのパーティーに参加していることがジンは驚きを隠せない。それに彼らの立ち居振る舞いは、会場にいる誰よりも目立っていた。


「ちょっと、あなた。そこの肉料理を取ってちょうだい」


「これかい。ダンスパーティーだと言うから痩せるのには丁度いいと思ってきたが、料理がこんなに美味いとはな」


「そうね。あなた。このローストチキン。チーズをたくさん使っているソースと絶妙な相性で完璧だわ。幾つでも食べられるわね」


全員が、ぶくぶく太っている。周りが痩せているため、いるだけで暑苦しい。そんな中、突然会場の電気が消え、スポットライトが付けられた。スポットライトを浴びて姿を現したのは、車椅子に乗った金髪の美しい女性だった。

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