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第5話

 廃墟の病院に貴族から平民まで沢山の人が集まっていた。平民がドレスやタキシードを買う事はない出来ない。平民街にビラがまかれた。パーティーに出席したい方を募集。服はこちらで用意します。戸口にお花を置いてください。信じない平民達がほとんどだった。パーティーに行きたい。数人の子どもや、大人が戸口に花を置いた。本当に子ども用のドレスや大人用のタキシード、大人用のドレスが贈られてきた。カードが添えられていた。


 1日限定のスペシャルサプライズ。1日だけしか服は形を保てません。素敵な日を。


 着て平民達もパーティーにやって来た。狭い廃墟の病院だったはずなのに、ライトアップされて

外もガーデンパーティーのようにテーブルに料理が置かれている。中は埃だらけ、窓もひびが入り汚かったのに、立派なシャンデリアのついたダンスホールに姿を変えていた。貴婦人達の噂の的は、給仕をする男性達。


「あの少し白髪混じりの方。素敵だわ。

 おじさまなら情夫に欲しいわ」


「あらあたしは、執事にしたいわ。

 夫にはもう死なれているから夫でも良いわ」


「私は隣のわんこ見たいな顔した男の子、給仕でも良いわ。ふわふわな茶髪を撫で回したいわ」


「クールそうな、目付きの悪いおじさま執事も良いわ。守ってくれそうで」


 おじさま執事に変装していたポルックスは、女達の会話を聞いて疲れを感じていた。女達が噂していた全員が、ここに未練を残し骸骨化している人達だ。魔法でレイブンが姿を変えたものだ。レイブンはかなりの面食いだ。レイブンが誰に変装したのか教えてくれなかった。


(おれには教えてくれでも良かったはずだ)


ポルックスは複雑な気分だった。


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