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12ー2

 そう、この3人からの虐めは、中学では終わりにならなかった。成績不振のせいで偏差値が低い高校しか進学できなかった俺を待ってたのは......またも理不尽な虐めだったのだ。

 その虐めの主犯者は2名…中村一輝と小西陽介だよりにもよって俺は奴らと同じ高校へ進学してしまったのだ。前原優だけは勉強ができてたから、一人だけ偏差値高別のところへ進学した。


 とはいえあの二人がいるということで、放課後になると俺が通ってた学校の近くに前原が来ることで中村と小西が中学の時のように結託して、また以前のように俺に酷い虐めを行いやがった。


 暴力は当たり前、ボコボコにされた俺の無様な負け姿を撮影してネットに晒したり、私物をぐちゃぐちゃにしたり、タバコを体に押し当てたりなど、より酷く過激な虐めを受けた...。



 「あ、あ”あ”あ”あ”あ”あ”...!!」

 「「「ぎゃはははははははははは...!!」」」


 6年間の俺の学生生活は、主にこの3人によって汚され踏みにじられてしまい、思い出したくもない最低最悪なものとなった...。それが原因でロクな将来しか築けず、失敗して壊れて...死んだんだ。




 俺の人生を潰しやがったこいつらだけは、絶対に赦さない、復讐する!





 「ぐはっ!おえ...!」

 「あぢぃ!!あんだこれはぁ!?」

 「おい水だ!火がついてる!!」



 爆発の火をくらってパニックを起こすクズ3人を暫く眺めてから、俺はゆっくりと奴らに近づき......



 「水ならここにある...ぜっ!」

 「「「ごばぁ...!?」」」



 3人全員を囲むサイズの大きな水の牢獄を瞬時に発生させて水中に閉じ込めてやった。水の無い所でこの規模の水を発生させた俺は、火で騒いでいたこいつらが今度は水で溺れて藻掻いている様子を10秒くらい笑って観察した後、魔術を解いて3人を解放する。ここで殺すわけがない。これはほんの前座だ。


 「ったく、喫煙所外でタバコ吸いやがってヤニカスどもが。俺が消火活動してやったぞ。感謝しろ」


 数秒間水で咽た3人のうち、前原優が最初に俺に怒声を浴びせる。


 「お前...誰や?いきなりこんな......意味分からないことしやがって!何なんだお前はぁ...!?」



 そう怒鳴りながら前原が片手を後ろにして端末で何か操作しているのを、俺は見逃さなかった。アレは携帯電話とかスマホとかじゃない...警察に通報したわけじゃないみたいだ。奴の性格から考えられるのは......お仲間を呼んだってところか。



 「俺だよ俺。杉山友聖だよ。六年間お前らに理不尽に虐げられた...おそらくお前ら三人のいちばんの被害者だよ」

 「何...杉山だと?...............杉山、友聖か!?」

 「そうだよ前原......お前とは小学の頃から一緒だったよなぁ?九年間同じ場所で勉学を受けた者同士、だ」


 俺のことを思い出したことで驚いて聞き直す前原に、俺は鷹揚に頷く。


 「はぁ...?優、このクソガキと知り合いなんか?」

 「.........信じられないが、あいつだ。杉山だ。ほら、中学・高校一緒だった...」

 「あ?............あ!あいつか!?俺らが潰したあの――



 ドゴン!――づあ”!?」



 「はい小西君正解。随分背が伸びたな?検索してなかったら誰だか分からなかったぞ」



 俺がどんな奴だったかまで口に出して答えた小西に褒美に拳の一撃を腹にくれてやった。5m程吹っ飛んだ。



 「「な...!?」」



 小西のやられように残りの二人は呆気に取られる。それを気にすることなく俺は一人でに語り出す。


 「いや~~~あの頃とちっとも変わらず、お前らはずっと悪どいことをしては巧妙に警察から逃れてのうのうと暮らしている。あの頃のお前らを害児と呼ぶなら......今のお前らは老害だな?人を陥れて辱めて虐げて、奪っていく。そんな最低蛆下衆糞ゴミクズ、生きる価値無し、この国には要らない汚物が、お前らだよ」

 「あ...?何言ってくれてんだテメェ、おいゴラ」


 俺の罵詈雑言に中村が額に青筋浮かべてガンをとばしてくる。それに対して俺は鼻で笑ってやった。


 「聞こえなかったか?お前らは歩く害悪で、そうやって息をするだけでも万死に値するゴミクズだって言ってんだよ?他人を害することしか出来ないお前らクズ3人は、この俺に今から復讐されるんだよ。学生時代に受けた虐めに対する復讐だ...!」

 「さっきから意味不明なことをベラベラと...!これだけは分かるぞ?テメェは俺らを馬鹿にしてるってなぁ!殺す......」

 「待て一輝。さっきの見ただろ?陽介を吹っ飛ばす腕力がこいつにはある」


 俺の挑発にキレた中村だが、前原が冷静に待ったをかける。

 「じゃあどうすんだよ!?こいつを見逃すとかあり得へんぞおい!」

 「こいつを甚振るのは俺らじゃない......ほら、来たぞ」

 「......おお!いつの間に!」



 前原が後方に視線を向けたと同時に、何やら黒い車やバイクがいくつも向かってきて、数十人の黒服やチンピラが出てきて俺を囲んだ。



 「へぇ~~~高校でお前が言ってたボディーガードや暴力団の連中か。こんな奴らをたくさん雇ってるとか、本当に金持ちなんだ?」

 「余裕かましてんじゃねーぞ杉山ぁ。俺らにたてついて......しかもあんな目に遭わせて...!ここは学校じゃねーんだ。今度は、生きて帰さねーからな...!!」





 ヘラヘラ笑う俺に対し前原は怒りの形相で連中を示して脅してきた。......そうだなぁ。まずは俺とこいつらとの明確な力の差ってやつを思い知らせてあげようか…!


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