万が一、茜が途中で目を覚ました時の為にも再び手足に厳重な拘束を施し、茜を特製の手術台の上に縛り付ける。
そして、痛みで目を覚まさぬよう、茜に手術用の麻酔を注入する。
「……」
まずはハサミで茜の衣服を徐々に切り裂き、次に下着も躊躇なく切り進める。
あっという間に茜の裸体が露になり、その美しい裸体に僕は釘付けになる。
「美しい……茜」
肌に触れれば、そこには柔らかな温もり。無駄な脂肪は一切無く、研ぎ澄まされた極限の肉体。だが、不思議な事に肌とても柔かく、白く、きめ細かい。
だが、美しいと同時に儚い。この芸術のような美も、時が経てば老衰し、腐敗し失われてしまう。
皮肉なものだ。美しいものだからこそ、醜く老いた時にはその落差に酷く傷付く。
だからこそ、今のうちに切除しておく必要がある。そして、僕が茜に相応しい代価品を与えよう。
老衰、腐敗という概念に縛られず、永遠の美を実現する事の出来る代価品を、僕が与えよう。
「君はずっとここで、僕の手で生き永らえる。だから、こんな血肉の腕も、足も……必要ないんだ」
僕を殴りつける手も、僕から逃れようとする足も君には必要ない。
鍛えてはいるが、細く、頼りない手足。
そして今、その手足を僕は歪で無機質な刃物で、茜から切り離そうとしている。
電動のこぎりの刃先を肌に押し付けると、白い肌から血が滲む。
そこから更に押し込むと、容易に骨に接触した感覚を覚える。その光景に背徳感と興奮を覚えながら、僕は電動のこぎりの電源を入れ、茜の四肢切断を始めた。