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第14話 さぁさぁ、始まる|殺し合い《カーニバル》

 リチュは、スペードの首をはねた後、『クラウンタウン』を燃やし始めた。逃げ遅れた魔物たちは次々とリチュの手によって殺される。

 悲鳴が街を駆け巡り、炎が街を抱く地獄のような光景。

 そこに立つはリチュ1匹。

 になった後、リチュの背後から1つの人影が映る。


「あらあら〜♡今日の公開処刑ショーに呼ばれたのだけど♡こんな状態じゃあ開催は無理ね♡でも───」


 その影は赤い髪を2つに束ね、白塗りに赤い化粧をした女装をしたピエロ、ハートのものだった。

 彼は口の中に手を入れ、そこから2本のサーベルを取り出す。


「随分と強そうな可愛らしい子がいるじゃない♡」


 リチュはハートを睨む。


「誰です?貴方。」


「アタシはハート♡スペードやクローバー、ダイヤの仲間よ♡」


 サーベルを擦り合わせながら言うハートに、リチュは斧を向ける。


「であれば、私の敵ですね。」


「あら?♡良いじゃない♡アンタも戦う踊る気まんまんなのね♡」


 リチュは何も答えず、ハートに向かって走る。

 ハートは、両手のサーベルをクロスさせ頭上に持っていく。


「『火弐刃流カーニバル』♡」


 ハートは口から炎を吐き、サーベルの刃に火をつける。

 そして、彼はサーベルをクルクル回し、リチュを迎え討つ。

 リチュが、ハートに斧を振るう。彼はそれをサーベルで受け止める


「随分と荒々しい戦い方踊りね♡」


 ハートはもう片方の、燃えたサーベルをクルクル回して、リチュを斬りつける。


「つっ!」


 リチュはそれを避けようとするが、間に合わずサーベルがかする。


「あら♡随分と素早いのね♡素晴らしいわ♡」


 炎を慌てて消すリチュに向けて、ハートがサーベルを構える。


「今度は、こっちから行くわよ♡」


 ハートが、リチュに向かってものすごい勢いで走る。


「『大地の槍シールドスパイク』!」


 リチュの前で、トゲのついた丸盾が生成される。

 ハートの攻撃は、その盾で伏せがれる。


「あら♡見事な盾ね♡」


 ハートはそのトゲを踏み台に、盾の上に飛ぶ。

 そして、2本のサーベルで斬りつける。

 心臓コアを守ろうとしたリチュの右腕が、サーベルによって斬り飛ばされる。


「うぅ。」


 リチュ右腕から透けた水色の液体が流れ、それが切り口についた火を消す。


「あら?♡アンタの血は赤くないのね♡なんの種族なのかしら♡」


 リチュが、左手をハートに向ける。

 リチュが髪と目を赤くしながら言う。


「私はスライムです!『炎の槍ファイアランス』!!」


 リチュは左手から炎の槍を出す。

 ハートはそれを宙返りをして回避する。

 炎の槍はリチュの手を離れて直ぐに消え去った。


「あら♡アンタね♡『ヒューマノン』を壊滅させたかもしれないスライムって♡」


「その事も知ってるんですね。」


「その反応♡やっぱり正解なのね♡これはとても楽しくなりそう♡」


 クルクルとサーベルを回すハートに向けて、リチュは左手を向ける。


「『雷の槍サンダージャベリン』!!」


 雷の槍が、目にも止まらぬ早さで、ハートを狙う。


「あら♡速い♡」


 ハートはそう関心しつつ、『雷の槍サンダージャベリン』を切り払う。


「ならばこれで!」


 その光景を見て、リチュはハートに向かって走り、ジャンプする。


「『氷の槍アイススピア』!」


 3本の氷柱がリチュの左手から放たれる。


「あら♡数で攻める作戦かしら?♡」


 ハートは、サーベルを氷柱に向ける。

 それだけで氷柱は溶け、蒸発する。


「さすがにそれは、甘いわよ♡」


「これならどうです!!」


 リチュは、氷の槍アイススピアを連発する。


「あら?♡もうパフォーマンスは終わりなのかしら♡残念ね♡」


 ハートは氷柱にサーベルを近寄せ溶かす。

 そして最後の氷柱を溶かした時、ハートの左腕が中を舞った。

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